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自動車整備士になるために必要な資格と勉強法

2021.08.26

自動車整備業界で働く場合、実は必ずしも資格は必要ありません。しかし、「自動車整備士」として昇進や転職を有利にするために、ほとんどの整備士が資格を取得しています。

この記事では、自動車整備士になるために必要な資格や取得の仕方、さらに資格試験の勉強方法などについて解説します。

自動車整備士に必要なのは整備士資格

自動車整備士になるためには、整備士の国家資格を取得する必要があります。これは国土交通省が実施している「自動車整備士技能検定試験」、もしくは日本自動車整備振興会連合会が行っている「自動車整備技能登録試験」のいずれかによって取得できます。この資格は三級、二級、一級、に分類されており、それぞれの級はさらに細かく分かれています。

三級整備士は基本的な整備に限られる

整備士として最初に目指す資格が三級です。三級はオイル交換やタイヤ交換など、エンジン部分の基本的な整備ができます。

エンジンや足回りなどの分解整備など、より専門的な整備をするには二級を取得しなければなりません。求人の応募条件に二級を掲げている職場も多いようです。そのため、三級を取得したら二級の取得を目指す整備士が多くなっています。

整備士資格を取得する2つの方法

整備士資格を取得する2つの方法

整備士資格の取得には、整備士養成課程の学校に通って取得する方法と、働きながら取得する方法があります。

専門学校では三級を取得できる

専門学校に通うと基礎的な知識や技術を学び、2年間の在学中に三級整備士資格を取得できます。そして卒業時には二級の受験資格があります。したがって、三級整備士資格を取得したうえで自動車整備業界に就職できることになります。

働きながらでも三級を取得できる

一方働きながら資格を取得する場合は、無資格のまま自動車整備業界に就職し、仕事と並行して資格試験の勉強をする必要があります。仕事と勉強の両立は大変と思うかもしれませんが、仕事と試験内容が結びつくため、ある意味仕事も試験勉強のうちであり、資格試験に向けて十分な準備ができます。

ここからは、働きながら整備士資格を取得する方法にしぼって説明していきます。

働きながら三級整備士資格を取得する方法

三級整備士の資格試験に必要な条件と、試験の勉強方法についてまとめました。

三級整備士資格試験を受けるために1年以上の実務経験が必要



整備士とし最初に目指す三級整備士資格は、1年以上の実務経験がないと受験できません。このため、整備士資格を取得したいならば、まずは地方運輸局から指定を受けた認証工場(指定工場)に就職する必要があります。

三級整備士資格は4種類

三級整備士資格には4つの種類があります。

ガソリンエンジン整備士
ディーゼルエンジン整備士
シャシ整備士
二輪自動車整備士
このうちどれか1つに合格すれば、三級整備士の資格が取得できます。

三級整備士資格試験の勉強方法

三級整備士資格試験には学科試験と実技試験があります。どちらも働きながらの勉強になるので時間的には大変ですが、仕事と勉強をリンクさせながら知識や技術を深めていきましょう。

学科試験対策はテキストと過去問を使う

学科試験対策には基礎的な知識の修得が必要です。効率的な勉強方法は、テキストや参考書と過去問をメインに使うことです。テキストに一通り目を通したら、過去問を繰り返し解いていきましょう。

実際に整備士見習いとして働きながらの勉強になるため、テキストの文字からの知識と職場での経験を結び付けて覚えていくことが大切です。そのうえで数年分の過去問をくり返し解いていけば、それぞれの分野の内容が網羅できるでしょう。

学科試験はマークシート方式

三級整備士の学科試験はマークシート方式です。試験時間は60分で問題数は30問出題されます。21問以上正解すれば、学科試験は合格です。

学科試験内容

構造、機能と取扱い法に関する初等知識
点検、修理と調整に関する初等知識
整備用の試験機、計量と工具の構造、機能と取扱法に関する初等知識
材料や燃料油脂の性質と用法に関する初等知識
保安基準その他の自動車の整備に関する法規

実技試験対策は講習を受けるのがおすすめ

実技試験は学科試験合格者のみが受験できます。ただし実技試験は、実務経験があるだけでは合格が難しいといわれています。

確実に合格するためには、各県の自動車整備振興会が主催している整備士技術講習を受講することがおすすめです。この講習は週2回ずつ5~6ヵ月間続きますが、修了すると実技試験が免除されるので、きちんと通い続ければ資格取得につながります。

実技試験内容

簡単な基本工作
分解、組立て、簡単な点検と調整
簡単な修理
簡単な整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い