
車検にかかる時間と費用の目安、点検項目について
車を購入すると定期的に車検をする必要があります。新車の乗用車の場合、初回車検は3年目ですが、その後は2年ごとに車検となります。車検にはどれくらい時間がかかり、どういった費用がかかるのか、また点検項目について説明します。
車検にかかる時間
車検に出す場合は出したその日に車検が完了する場合と数日かかる場合があります。目安としては1日~2日程度で、満了日が更新された車検証は後日車検した店舗に取りに行くか郵送で受け取り車に積むようになります。車検にどれくらいの時間がかかるかは車の状態によっても異なりますが、車検に出す時期によっても異なります。また、予約をしておらず飛び込みで車検をお願いすると想定以上に時間がかかる場合もあります。そのため車検に出す際には事前に予約しておくと良いでしょう。事前に連絡しておけば対応が早くなる可能性があるだけでなく、どれくらい時間がかかるかに関してもあらかじめ確認することができます。
数日かかり代車を希望する際は当日の連絡になると代車がなく借りることができないといったこともあるため、予約しておくことがおすすめです。
予約していても時間がかかる場合も
事前に予約しておいても想定より時間がかかるといった場合があります。それは取り寄せに時間がかかる部品を交換する必要がある場合です。車検を行う整備工場がすべての部品を在庫しているとは限りません。在庫が無かった場合は部品の取り寄せで何日間かかかる場合もあります。また、輸入車や特殊な車、製造が古いクラシックカーなどの部品は場合によっては海外から取り寄せる必要が発生するためその分時間がかかります。そういった車に乗っている人は時間がかかる可能性を事前に想定しておいた方が良いでしょう。
車種毎にかかる費用
車検にかかる費用は車の種類によって異なります。種類の分け方は車検を受ける業者によって多少違いはありますが、下記のような分け方が一般的です。(車検証での自動車の種別とは違うため注意が必要です。)
軽自動車
軽自動車はその他の車に比べて車検の料金が安くなっています。法定費用である自賠責保険は17,540円で重量税は6,600円です。また、年間の自動車税は10,800円程度と他の車に比べると経済的です。以前は耐久性が軽自動車以外と比べて劣るため、パーツ交換の費用が発生する可能性が高いとも言われていましたが、現在はそのような品質の差は目立たなくなっています。
小型車(車両重量1.0t以下)
車両重量が1.0t以下の乗用車のことです。軽自動車の次に費用が安い車です。自賠責保険が17,650円で重量税は16,400円です。同じ車種でもグレードによって車両重量が違い、小型車ではなく中型車になる可能性があるため、注意が必要です。
中型車(車両重量1.0t超1.5t以下)
車両重量が1.0t超1.5t以下の乗用車のことです。ディーラーや車検業者など車検に出す業者によって費用差が大きくなるクラスのため、複数店舗で見積もりを取ることで費用を抑えることができます。自賠責保険は小型車と同じですが、重量税は24,600円です。こちらもグレードによって中型車ではなく大型車になる可能性があるため、注意が必要です。
大型車(車両重量1.5t超2.0t以下)
車両重量が1.5t超2.0t以下の乗用車のことです。法定費用が高額になるだけでなく、車が大型のためエンジン排気量も大きいものが多くエンジンオイル交換時のオイル使用量が多くなってしまったり、消耗品であるタイヤなどの費用も高くなります。重量税は32,800円ですが、自賠責保険は小型車などと同じです。
特大車(車両重量2.0t超2.5t以下)
車両重量が2.0t超2.5t以下の乗用車のことです。大型車同様、特大車も法定費用が高額になるだけでなく、オイル交換やタイヤ交換などのメンテナンス費用が高くなります。重量税は41,000円ですが、自賠責保険は小型車と同じです。
自動車税
乗用車の自動車税は以下の表のとおりです。
総排気量 |
乗用車 |
軽自動車 |
1.0L以下 |
25,000円 |
10,800円 |
1.0L超1.5L以下 |
30,500円 |
|
1.5L超2.0L以下 |
36,000円 |
|
2.0L超2.5L以下 |
43,500円 |
|
2.5L超3.0L以下 |
50,000円 |
|
3.0L超3.5L以下 |
57,000円 |
|
3.5L超4.0L以下 |
65,500円 |
|
4.0L超4.5L以下 |
75,500円 |
|
4.5L超6.0L以下 |
87,000円 |
|
6.0L超 |
110,000円 |
業者によって異なる費用
法律で決められている費用についてはどの業者で行っても変わりませんが、点検費用や手数料、工賃等は業者によって異なります。
ディーラーで行う場合は隅々まで点検してくれるので安全性は高いですが、車検の費用に関してはそれに比例して高くなります。そのため、車についての知識がない車初心者の人に向いています。
車検を専門に行っている業者はディーラーよりもリーズナブルな料金で点検してくれるところが多く、車検後のオイル交換をサービスで行うといった業者もあります。店舗によって料金が異なるため、複数店舗で見積もりを取ることで費用を抑えることができます。
ガソリンスタンドで車検をお願いする場合は給油のついでに依頼することができるため気軽ですが、車検を行う工場が別の場所にあるといったガソリンスタンドも少なくないため、車検にかかる日数が想定以上にかかる可能性があります。
このように車検に出す業者によっても費用や特徴が異なるため、自分にあった業者を探して車検してもらうと良いでしょう。
車検の点検項目について
外回り点検
外回り点検では外装や灯火類などを目視で確認します。外装はボディに大きな損傷やガラスの割れ、違法改造が無いかなどをチェックします。灯火類は車両前後のライトやウインカーがきちんと点いており球切れを起こしていないか、灯色が基準内かなどをチェックします。
足回り点検
足回り点検では、ブレーキやサスペンションなどをタイヤを外した状態で確認します。ブレーキパッドの摩耗やゴムブーツの破れなどがあると交換が必要となります。
下回り点検
下回り点検ではまず、オイル漏れ・水漏れを起こしていないかエンジンとミッションの繋ぎ目などを確認します。また、燃料タンクやフレームの錆や損傷、マフラーの排気漏れや燃料・ブレーキオイルの漏れが無いかなども確認します。
エンジンルーム点検
エンジンルーム点検では、エンジンオイルやミッションオイル、ブレーキオイル、冷却水などの油脂液類の汚れや量、エンジンに付いている点火プラグやファンベルト、エアクリーナーなどのフィルター類の消耗や汚れ、劣化などが無いか点検を行います。また、エンジンルームにはバッテリーやウィンドウウォッシャー液のタンクもあるため、それらの点検や液の補充も行います。
下回り点検同様にエンジンオイルや冷却水の漏れが無いかもチェックします。
その他の点検
外したタイヤのチェックなども行います。タイヤは消耗品のため、車の走行により残り溝が減ってきます。溝が少なくなったタイヤでの走行はスリップの原因になるため注意が必要です。また、タイヤに釘などが刺さっているとそこからパンクする可能性があるため、そのような異物が無いかも確認します。
機器を使って行う検査(完成検査)
外回り点検などで問題がなければ、点検整備の完了後に専用の機器(テスター)が備え付けられている完成検査場でテスターを使用して、ブレーキやスピードメーター、ヘッドライト光軸、排気ガス、サイドスリップなどを測定し、その結果が法律で定められた基準を満たしているかチェックを行います。
車検では、こうした様々な点検や検査項目を確認し、クリアした車の車検証の有効期間の満了日が更新されます。
まとめ
車検を出す際には車検証の有効期間の満了日によって決められた時期があり、車検費用は車種によっても異なります。また車検は、依頼する業者によってかかる時間や費用も変わってきます。車検時期になって慌てることがないように事前に確認しておきましょう。
車検で行ってもらえる点検内容も把握した上で、気になる部分等がある場合は事前に業者に相談するなどしてスムーズに車検を行いましょう。