
梅雨時期の車のメンテナンスって必要? 自分でできるお手入れとプロに任せるべきメンテナンス
降雨量が増える梅雨の時期は、つい面倒になって洗車やメンテナンスを後回しにすることもあるでしょう。しかし、梅雨時期のお手入れを怠ると、車の汚れや劣化が進んだり、事故リスクが高くなったりする要因となります。安全なドライブを楽しめるよう、梅雨こそ車のメンテナンスをしっかり行うことが大切です。
本記事では、梅雨の時期にお手入れが重要視される理由や、自分で行えるお手入れ、プロに任せたいメンテナンスについて解説します。
梅雨時期のメンテナンスが重要な理由

梅雨の時期に車のメンテナンスを怠ると、さまざまなリスクが生じる原因となります。場合によっては事故につながる恐れもあるため、梅雨時期でもしっかりメンテナンスを行うようにしましょう。
ここでは梅雨時期にメンテナンスを怠ることで生じる代表的なリスクを4つご紹介します。
雨や汚れによる視界不良
雨が降っていると、フロントガラスやリアガラス、サイドガラスなどに雨粒が付着するため、視界が悪くなりがちです。フロントガラスやリアガラスの雨滴はワイパーを作動させれば拭えますが、ワイパーのゴムが劣化していたり、ガラスに油分が付着していたりするとガラスがきれいにならず、十分な視界を確保できません。
視界不良のまま運転すると、事故を起こすリスクが高くなり大変危険です。
ハイドロプレーニング現象
ハイドロプレーニング現象とは、タイヤと路面の間に水の膜が発生し、ハンドルやブレーキの制御が利かなくなる現象です。梅雨は降雨量が多いため、他の時期よりもハイドロプレーニング現象が起こりやすく、事故のリスクが高まるといわれています。
ハイドロプレーニング現象は雨の影響に加え、タイヤの状態によってもリスクが左右されるため、日頃からタイヤの点検を行う必要があります。
頑固な汚れの付着
雨には排気ガスや花粉などさまざまな物質が含まれているため、車を雨ざらしにしていると頑固な汚れが付着しやすくなります。
また雨水がエンジン熱や日光によって蒸発すると、水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が白いウロコ状になって固着する原因になります。これらの汚れは堆積すると簡単に落ちにくくなるため、小まめな洗車が必要です。
湿気によるカビ・臭いの発生
梅雨の時期は湿度が高くなり、高温多湿を好むカビが繁殖しやすくなります。
車のエアコンには家庭用のエアコンと同様に除湿機能もあるため、エアコンが故障している場合は車内の湿度が高くなりやすく、車内にカビが発生しやすくなります。
特にエアコン内にカビが生えると嫌な臭いの原因になる他、車内に飛び散ったカビを吸い込んでアレルギー症状などを引き起こす要因になることもあります。
エアコン内部のカビは目視しにくいため、嫌な臭いが感じられた場合は早めにエアコンの点検を行いましょう。
梅雨時期に自分でできる簡単メンテナンス
梅雨の時期に起こる車のトラブルを防ぐために、日頃から自分で行っておくべき点検やメンテナンス方法を4つご紹介します。
ワイパーの点検・交換
ワイパーのゴムは消耗品であるため、時間の経過に伴い劣化します。ゴムが劣化すると水滴をしっかり除去できなくなるため、梅雨の時期に入る前にゴムにひび割れや汚れが付着していないか、ゴムがガラス面に真っ直ぐ当たっているかなどをチェックしておきましょう。
もし劣化していた場合はカー用品店などで適合するワイパーの替えゴムを購入し、ワイパーブレードを外して新しい物と交換します。交換作業に特別な道具や技術は不要であるため、セルフでも簡単に交換可能です。
なお、ワイパーゴムは半年~1年に1回の交換が推奨されているため、自ら交換するか、車検や点検のときに交換を依頼しても良いでしょう。
タイヤの点検
ハイドロプレーニング現象の発生リスクを低減するには、タイヤの溝と空気圧をチェックすることが大切です。
タイヤの溝がすり減っているとタイヤ溝による排水が間に合わなくなり、ハイドロプレーニング現象のリスクが高くなります。タイヤは溝の深さが1.6mmより浅くなると、タイヤ側面に三角マークで表示されている位置にあるスリップサインと呼ばれる部分が溝の中から接地面に出てくる仕組みになっているため、全てのタイヤでスリップサインが出ていないかどうかチェックしましょう。
なお、溝が1.6mm未満のタイヤは保安基準に適合しないため、車検にも通らなくなります。もしタイヤの摩耗が進んでいる場合は梅雨に入る前に新しいタイヤに交換することをおすすめします。
また、タイヤの空気圧が減っている場合はトレッド面(タイヤの路面との接地部)の中央部が路面としっかり接地しないため、タイヤ溝からの排水が効率的に行われなくなるためハイドロプレーニング現象が起こりやすくなります。そのため、定期的に空気圧をチェックし、不足している場合は空気の充填を行いましょう。
洗車と車内清掃
梅雨時期は、雨や湿気の影響で車のボディが汚れたり、車内にカビが生えたりしやすいため、定期的に洗車・清掃しましょう。ただし、雨に降られたからといって毎日のように洗車すると、ボディの表面に細かな傷が付き、寿命を縮める可能性がありますし、費用や手間もかかりすぎます。洗車は週1回~月1回程度を目安に行うようにしましょう。
また、梅雨になる前にワックス掛けやコーティングを行っておくのも有効な対策の一つです。ワックスやコーティングには汚れや傷を付きにくくする作用があるため、梅雨時期でも車をきれいな状態にキープしやすくなるでしょう。
車内清掃については、湿気を含みやすいフロアマットのお手入れをきちんと行いましょう。晴れた日にフロアマットを天日干ししてしっかり乾燥させた後、掃除機を掛けて汚れを除去すると、カビ発生の防止になります。
頑固な汚れが付着している場合は中性洗剤または専用の洗剤を使って水洗いし、完全に乾かしてから車にセットします。水気を含んだまま車内に戻すとカビが生える原因になるため、注意しましょう。
エアコンの点検
エアコンをつけたときに、冷暖房の効きが悪かったり、嫌な臭いがしたりする場合はエアコンの故障が疑われるため修理が必要です。エアコンの効きを確かめたいときは、温度設定を一番低くした上で、エアコンの吹き出し口から冷たい空気が出てくるかどうか確認しましょう。しばらく経っても生ぬるい風しか出てこない場合はエアコンの修理が必要です。
なお、エアコンの修理は分解作業を伴うため、個人で行うことは困難です。無理に作業するとエアコンが壊れる可能性があるため、車に詳しくない方や必要な工具を持っていない方はプロに任せた方が良いでしょう。
エアコンの効きは問題がないのに出てくる風の匂いが気になる場合は、まずエアコンフィルターの汚れを疑いましょう。エアコンフィルターの点検は助手席側のグローブボックスを開けて簡単に行える場合が多いため自分で行うことも可能でしょう。車の取扱説明書やメンテナンスノートを参照して作業しましょう。一般的にエアコンフィルターの交換時期は一年と言われているため定期的に点検を行いましょう。
プロに任せるべきメンテナンス
簡単なお手入れであれば自宅でセルフメンテナンスすることも可能ですが、中には特別な工具や技術が必要になる場合もあります。そのような場合は、無理をせずプロにメンテナンスを依頼しましょう。
プロに依頼した方が良いメンテナンスは以下の通りです。
● エンジンオイル
● オイルエレメント
● ブレーキフルード
● ブレーキパッド
● バッテリー
● エアコン(エアコンガス関係)
● タイヤのローテーション(タイヤの位置を変えて消耗を抑える作業)
上記のメンテナンスには特別な工具と技術が必要になるため、プロに任せるのがおすすめです。
特にブレーキ関連やエアコン、タイヤのローテーションは、雨で濡れた路面を走行する際や、梅雨時期のカビ対策に大きな影響を与える要因であるため、梅雨に入る前にメンテナンスしてもらうと良いでしょう。
梅雨こそ車のメンテナンスを心掛けよう
梅雨は、雨による汚れや視界不良、ハイドロプレーニング現象などさまざまなトラブルやリスクが発生しやすい時期です。「どうせ雨が降ってまた汚れるから」「雨の中、屋外で作業するのは面倒だから」とメンテナンスを先送りにしていると、車の調子が悪くなったり、事故リスクが高くなったりする原因となります。梅雨こそ車のメンテナンスをしっかり行い、快適なドライブを楽しめる環境を整えておきましょう。
なお、ワイパーの交換やタイヤの点検、エアコンの点検、洗車などは自分で行うことも可能ですが、エンジンオイルやオイルエレメント、ブレーキ関連、バッテリー、エアコン、タイヤのローテーションなどはプロに任せることをおすすめします。車検のときにまとめて点検・交換してもらうと手間が省けるでしょう。
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