
不正車検とは? 不正車検の危険性や罰則、不正車検を防ぐ安全な業者の選び方を解説
車検専門店の「車検の速太郎」では、お客様の立合いの下、国家資格を持つ整備士が車の状態を丁寧に確認し、透明性の高い車検を行っています。
しかし、中には不正な手段で車検を通そうとする業者も存在します。不正車検を行うと、対応をした業者はもちろん、場合によっては依頼主も罪に問われる可能性があるため、十分な注意が必要です。
本記事では、不正車検の概要や、不正車検を行った場合のリスク・罰則、車検業者の選び方などについて解説します。適切に車検を実施したい方はぜひ最後までチェックしてください。
不正車検とは?
不正車検とは、車検の際に国が定めたルールを意図的に守らず車検を行うことですが、その中でも多いのが保安基準を満たしていない、あるいは検査すべき項目について検査していない状態で車検を通してしまう行為です。
道路運送車両法では、自動車の使用者は国土交通大臣の行う継続検査を受けることが義務付けられています(※)。具体的には「国土交通大臣は、その自動車が保安基準に適合すると認めるときのみ自動車検査証(車検証)に有効期間を記録し、自動車の使用者に返付する(車検を通す)こと」と定められており、不正車検は違法行為に該当します。
悪質な不正車検の主な手口
不正車検の中でも悪質なものとして、過去に検挙された事件の主な手口や手法は、大きく分けて以下の3つがあります。
1. 受検車両の不正
2. 書面の不正
3. 偽装受検
1は保安基準に満たない車両について、同じ車種の替え玉を使用し、不正に合格させるケースです。
2は審査結果通知書の内容を意図的に改ざんしたり、検査官印を偽造して使用したりするケースを指します。
3は不正改造車に一時的に純正品などのパーツを取り付けて受検させ、受検後に元の改造パーツに戻す行為です。
過去にはこのような悪質な不正車検で検挙までされた事例が複数ありましたが、警察の取り締まりにより、件数は減っているものの完全には無くなっていないのが現状です。
不正車検が行われる理由
上記のような悪質な不正車検は減っていますが、代わりに増えているのが点検・検査の一部未実施による不正車検です。そのような不正車検が増加している理由は大きく分けて2つあります。
集客のため
若者の車離れが顕著といわれている現代の日本において、車検業界の競争は激化しています。車検業者は低料金やスピードの速さをうたって集客しようとしますが、コストを大幅に下げたり、作業時間を短縮したりするのは簡単なことではありません。
そこで不正車検を行う業者では、点検やメンテナンスの手間を省いてコストを削減し、他社よりも安い料金を提示することで集客に結び付けようとします。中には、不正改造車を使用しているオーナー向けに「当社ならパーツ交換なしで車検を通せる」などと宣伝し、顧客の取り込みを行うようなより悪質な業者も存在します。
時短による利益追求
不正車検で検査項目や修理作業を省略すれば、1台当たりに要する時間が短縮され、より多くの車検を実施できます。その結果、従来よりも時間当たりの利益を高めることができるため、利益追求のために不正車検を行う業者もあります。
また、素早く車検が完了することは顧客側のニーズを満たす要素でもあり、一定の集客効果も見込めるという点も、不正車検が横行する理由の一つになっています。
不正車検の危険性やリスク

車検の目的は、安全な状態で車を走行できるようにすることです。不正車検によって保安基準に満たない車が公道を走ると、さまざまな危険性やリスクが生じます。
ここでは不正車検の危険性を4つのポイントに分けて解説します。
安全性の低下
保安基準を満たさない車は十分な安全性を確保できないため、交通事故などを起こすリスクが高くなります。
例えば、本来なら交換が必要な劣化が激しい部品をそのまま放置して不正車検に通してしまった場合、走行中にブレーキが効かない、ハンドルを取られてしまうといった不具合が生じ、事故が発生する可能性があります。
車体の劣化
必要な点検・整備を行わずに車検を通した車は、劣化のスピードが早くなるといわれています。例えば、ブレーキの効きが悪くなると自然と急ブレーキを踏む回数が多くなり、タイヤやサスペンションに余計な負担がかかってしまうのです。
パーツは劣化が進むほど修理・交換に必要な手間や費用がかさむ傾向にあるため、コスト面でも大きなリスクになるでしょう。
違反や罰則のリスク
保安基準を満たさない車に乗り続けていると、場合によっては道路交通法違反や罰則の対象となります。不正車検によって起こり得る違反には以下のようなものがあります(※)。
● 指定場所一時不停止
● 踏切不停止
● 整備不良(制動装置等違反、尾灯等違反)
ブレーキやタイヤなどに不具合があり、停止すべき場所で停止できなかった場合、指定場所一時不停止や踏切不停止などの違反に該当する恐れがあります。また、ブレーキに不具合がある場合は整備不良(制動装置等違反)に該当します。
さらに、テールランプが点灯しないといった故障が発生している場合も整備不良(尾灯等違反)に当たり、やはり違反の対象となるため注意が必要です。
なお、これらの違反にはそれぞれ行政処分として、違反点数の加点および罰金が科せられるため、大きな出費を強いられるのはもちろん、場合によっては免許停止などの処分を受けることもあるでしょう。
もちろん、不正車検自体も違法行為に当たるため、たとえ違反を犯していなくても罰則の対象となるリスクがあります。不正車検の罰則については後述するため、そちらを参考にしてください。
自動車保険の対象外になる可能性がある
交通事故を起こした場合、自賠責保険や任意自動車保険によって保険金で損害を補填することが可能です。ただし、ほとんどの保険会社では車の使用者に重大な過失があると認定した場合、支払いの対象外とする規約が設けられています。
本来車検をパスできない不正車検車に乗っていたことが判明した場合、使用者側に重大な過失があったと見なされ、保険金が支払われない可能性があることを認識しておきましょう。
不正車検を行った場合の罰則
不正車検は違法行為に該当するため、罰則の対象です。不正車検を行った業者はもちろん、場合によっては車検を依頼した側も罪を問われる可能性があるため注意が必要です。
ここでは不正車検を行った場合の罰則を、車の使用者と車検業者それぞれのケースごとに説明します。
車の使用者側の罰則
車の使用者側が罪に問われるか否かは、不正車検が行われることを知っていたか(依頼したか)どうかによります。罰則や処分の対象となるのは、不正車検を依頼した、あるいは不正車検を行われることを知っていた場合です。具体的には、刑法第198条に定められた贈賄の罪に問われることになります(※)。
贈賄とは公務員に賄賂を供与・申し込み・約束する行為のことです。車検は国が定めた業務であり、その業務を行う自動車検査員はみなし公務員と見なされるため、不正車検という違法行為を車検業者(自動車検査員)に依頼して代価を支払った場合は賄賂に該当する可能性があります。
なお、贈賄をした者は3年以下の懲役または250万円以下の罰金に処されることになります(※)。
車検業者側の罰則
不正車検を行った車検業者には、以下のような罰則や処分が科せられます。
● 指定工場の取消処分
● 検査員の解任
● 保安基準適合証などの交付停止
● 法律違反による懲役・罰金刑
指定工場とは、自動車の整備について一定の基準に適合する設備や技術、管理組織、自動車の検査設備などを有しており、かつ自動車検査員を選任して車の点検・整備について検査をさせると認められるものとして、地方運輸局長から指定を受けた工場のことです(※)。
指定工場が点検整備を行った上で保安基準適合証を交付・提出すれば、国の検査場に現車を持ち込む過程を省略できる仕組みになっています。
不正車検を行った場合、当然ながら指定自動車整備事業の指定は取り消されるため、処分後は保安基準適合証を交付できなくなります。
なお、指定取消処分を免れたとしても、保安基準適合証の交付停止処分を受けるケースもあるようです。また、不正車検を行った自動車検査員については、地方運輸局から解任命令が下されます。
さらに、道路運送車両法の規定の下、同法第107条の定めにより、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されます(※)。この罰則は不正を行った自動車検査員だけでなく、その検査員が属する法人も対象です。
不正車検を未然に防ぐための車検業者の選び方
不正車検の被害に遭わないためには、愛車の車検を信頼して任せられる車検業者に依頼することが大切です。ここからは、車検業者の選び方のポイントを3つご紹介します。
見積もりの内容をチェック
まずは車検業者から見積もりを取り、その内容をじっくり精査しましょう。
見積もりの記載項目は大きく分けて法定費用と整備費用の2つがありますが、法定費用は業者による差がないため、整備費用に注目します。
整備費用をチェックするときは「どの部分にどのような点検・整備が行われるのか」「代車費用などが含まれているか」などを確認します。
整備費用の詳細が記載されていない場合は、点検項目を省かれたり、必要な整備をカットされたりする可能性があるため注意が必要です。
疑問点や不明点への対応をチェック
見積もりの内容で分からないことや疑問に感じることを質問したときの対応の仕方を確認するのも業者選びの重要なポイントです。
不正車検を行う業者は、作業の工程についてぼかすことが多いため、突っ込んだ質問をされると明確な回答を避けたり、曖昧な表現で逃れようとしたりする傾向にあります。
前述の見積もりだけでなく、請求書や点検整備記録簿などの記載内容などもよく確認し、不明点は曖昧にせず確認するようにしましょう。
疑問点・不明点について丁寧に説明してくれるか、明確な答えを出してもらえるかをきちんとチェックし、対応の悪い業者は避けた方が無難です。
立合い車検に対応しているかチェック
業者を選ぶ際は、立合い車検に対応しているかも確認しましょう。
立合い車検とは、依頼主の立合いの下、現車を見ながら車の状態や整備の必要性を確認できる車検です。立合い車検を行うと、愛車の状態を実際に目で見て確認できる他、なぜ修理や交換が必要なのか、その場で詳しい説明を受けられるため、作業の透明性が高くなります。
不正車検は違法行為! 車検を受けるなら「車検の速太郎」へ
不正車検は、道路運送車両法や刑法などに違反する行為であり、罰則や処分の対象です。
不正車検を知らずにいた場合は罰則の対象にはならないものの、保安基準に適合しない状態の車を運転し続けていると事故や交通違反を起こすリスクが高くなるため、信頼できる車検業者に依頼することが大切です。
「車検の速太郎」は、車検一筋25年の実績とノウハウを基に、丁寧かつスピーディな車検を提供しています。車検専門の整備士が2名体制で点検・整備に当たる他、お客様自身の目でチェックしていただきながら、丁寧に分かりやすく説明する立合い車検を行っています。
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