車検時に警告灯が点灯したらどうなる?種類や対処法を解説
車の警告灯には、シートベルト警告灯やエンジン警告灯、ブレーキ警告灯、ABS警告灯など、さまざまな種類があります。車検時に警告灯が点灯した場合、合否に影響する可能性があります。警告灯の種類を知り、車検の前に必要な点検・整備を受けることが大切です。
本記事では、警告灯の種類や点灯した場合の対処法、車検時に点灯した場合の影響を分かりやすく解説します。
警告灯とは?車の故障や不具合を知らせる信号のこと
そもそも警告灯とは、車のダッシュボードもしくはインストルメントパネル(インパネ)に表示されるランプを指す言葉です。警告灯は車の故障や装置の不具合、ドライバーによる誤操作を検知すると点灯・点滅します。つまり車の異常を知らせる役割があるのが警告灯です。
警告灯の表示やマークは車種によって異なるものの、大きく分けて緑、黄、赤の3種類の色があります。警告灯の色によって、車の故障や不具合の緊急性が変わるため、点灯・点滅した際は確認しましょう。
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緊急性 |
緑色の警告灯(表示灯) |
低 |
黄色やオレンジ色の警告灯 |
中 |
赤色の警告灯 |
高 |
特に赤色の警告灯が点灯した場合は、緊急性の高いトラブルが起きた可能性があります。運転中の場合は安全が保証されないため、路肩に車を停め、警告灯の内容を確認しましょう。必要に応じて整備工場やディーラー、ロードサービスなどに連絡するケースもあります。
なお警告灯はエンジンをかけた際、機能確認のために全てのランプが点灯する仕組みになっています。そのため警告灯を確認する際は、エンジンをかけてから少し時間をおいてください。正常な場合はシートベルト警告灯のみ点灯し、それ以外の警告灯が消えた状態になります。
覚えておきたい8種類の警告灯
警告灯の中でも、特に覚えておきたいのが以下の8点です。
● エンジン警告灯
● ブレーキ警告灯
● ABS警告灯
● エアバッグ警告灯
● 油圧警告灯
● 充電警告灯
● シートベルト警告灯
● 半ドア警告灯
警告灯の種類によっては、すみやかに車の点検整備を受ける必要があります。主な警告灯の意味を知り、どのようなトラブルが起きているか瞬時に判断できるようにしましょう。
エンジン警告灯
エンジン警告灯は、車のエンジンやトランスミッションに異常が起きたときに表示される信号です。異常を検知した際は黄色やオレンジ色の光が点灯し、エンジンによく似た形のマークが表示されます。エンジン警告灯が点灯した状態で車を運転すると、深刻なエンジントラブルが起きる可能性があるため、すみやかに点検整備を行いましょう。
ブレーキ警告灯
ブレーキ警告灯は、車のブレーキに異常が起きたときに表示される信号です。通常は赤色の光が点灯しますが、電子制御のブレーキシステムに不具合が発生した場合は、黄色かオレンジ色の光が点灯します。また、サイドブレーキを引いたまま運転している場合も、ブレーキ警告灯が点灯して異常を知らせてくれます。
ABS警告灯
ABS警告灯は、アンチロックブレーキシステム(ABS)の異常を知らせるための信号です。アンチロックブレーキシステムとは、急ブレーキをかけたときなどに作動し、タイヤのロック(回転の急停止)を防ぐ装置です。急ブレーキをかけていない状態、もしくはブレーキを一切かけていない状態でABS警告灯が黄色やオレンジ色に点灯した場合は、お近くの整備工場などに相談しましょう。
エアバッグ警告灯
エアバッグ警告灯は、緊急時に作動するエアバッグやシートベルトの効果を高めるプリテンショナーの異常を知らせる信号です。SRSエアバッグ/プリテンショナー警告灯と呼ばれる場合もあります。エアバッグやプリテンショナーが正常に動作しないと、車両の衝突時に乗員が保護されません。エアバッグ警告灯が黄色かオレンジ色、または赤色に点灯した場合は、すみやかに点検整備を受けることが大切です。
油圧警告灯
油圧警告灯はエンジンオイル警告灯とも呼ばれ、エンジンオイルの油圧が低下した際に赤色に点灯・点滅します。エンジンオイルの油圧が低下した状態で運転を続けると、エンジンの焼き付きなど、深刻な故障につながるリスクがあります。運転中に油圧警告灯が点灯した場合は、ただちに車を路肩に停車させロードサービスなどに連絡しましょう。
充電警告灯
充電警告灯は、車のバッテリー本体やバッテリーへの充電装置(オルタネーター・ファンベルトなど)に異常が発生したときに点灯します。充電警告灯が赤色に点灯した状態で運転を続けると、バッテリーが上がってしまい、エンジンがかからなくなる可能性があります。
シートベルト警告灯
シートベルト警告灯はシートベルト非装着警告灯とも呼ばれ、乗客がシートベルトを装着していない場合に赤色に点灯します。2020年9月以降は、後部座席のシートベルトを含めた全席が警報対象になりました。(※)万が一、事故を起こしてしまったときに備えて、シートベルトはしっかり着用しましょう。
半ドア警告灯
半ドア警告灯は、車のドアが閉まり切っていないときに赤色に点灯する信号です。シートベルト警告灯と同様に、警告灯が点灯したからといって、車の装置が故障しているわけではありません。しかし半ドアの状態を放置していると、運転中にドアが開いて重大な事故につながる可能性があります。半ドア警告灯が点灯したら、ドアがしっかり閉まっているか確認しましょう。
車検時に警告灯が点灯したら?車検が受けられないケースも
車検時に警告灯が点灯したら、どのような影響があるのでしょうか。前述のとおり、警告灯は車の故障や不具合を知らせる信号です。黄色やオレンジ色、赤色の警告灯が点灯・点滅している場合、車検に通らない可能性があります。
また警告灯の種類によっては、そもそも車検を受けられません。平成29年2月より、受検車両の要件が定められました。(※)自動車技術総合機構が定めた“審査時における車両状態”を満たさない場合、車検を受けることができなくなります。注意が必要なのは以下の要件です。
“原動機の作動中において、運転者が運転者席に着席した状態で容易に識別できる位置に備える次に掲げるテルテールの識別表示が継続して点灯又は点滅していない状態であること。”
また、“テルテールの識別表示”に該当するのは以下の5つです。(※)
1. 前方のエアバッグ
2. 側方のエアバッグ
3. ブレーキ
4. ABS
5. 原動機
つまりエアバッグ警告灯、ブレーキ警告灯、ABS警告灯、エンジン警告灯のいずれかが点灯・点滅している場合、審査時における車両状態には該当しないため、車検を受けられません。以上の警告灯が点灯・点滅している場合は、整備工場などで点検・修理を受けてから車検を申し込みましょう。
警告灯が点灯したときの対処法
警告灯が点灯・点滅したときの対処法は、ただちに整備工場などで点検整備を受けることです。警告灯は、あくまでも車のトラブルを知らせるための信号です。車のトラブルが起きた原因や、具体的な異常の内容までは分かりません。
例えばエンジン警告灯が点灯した場合、排気系統に原因があるケースや、エンジンの点火に不具合があるケースなど、さまざまな原因が考えられます。警告灯の点灯・点滅に気がついたら、自己判断で修理するのではなく、すぐに整備工場へ連絡しましょう。
警告灯の種類を知り、車検までに点検整備を!
車の警告灯には、エンジン警告灯、ブレーキ警告灯、ABS警告灯、エアバッグ警告灯、油圧警告灯、充電警告灯など、さまざまな種類があります。警告灯の意味など、マークの詳細は車の取扱説明書で確認できます。主な警告灯の意味を押さえ、点灯・点滅した際にすぐ対処できるようにしておきましょう。車検時に警告灯が点灯した場合、警告灯の種類によっては検査を受けられない場合があります。警告灯の点灯に気がついたら、整備工場で点検整備を行ってから車検を申し込むことが大切です。