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車のタイヤ交換の時期やタイミングは?メンテナンス方法も解説

2023.05.18

車のタイヤは定期的な交換が必要です。どういったタイミング、時期に交換すればよいのかを知っておくことは大切です。車のタイヤ交換のタイミングを把握しておくことは、安全運転にもつながります。この記事では車のタイヤ交換のタイミングについて解説します。

タイヤにスリップサインが出たらすぐに交換する

車のタイヤを交換するタイミングとして分かりやすいのは、スリップサインが出た際です。スリップサインはタイヤの溝が浅くなってくると現れます。タイヤには雨の日など路面が濡れている際のスリップ事故防止のために溝があり、深さは道路運送車両の保安基準で1.6mm以上であることが定められており、1.6mm未満では車検にも通らなくなります。(※)

スリップサインはタイヤの残りの溝が1.6mmであることを示すサインで、スリップ事故を起こしやすくなっていることをドライバーに伝えるものです。そのため、スリップサインが出たらすぐにタイヤを交換するようにしましょう。スリップサインはタイヤ側面にある三角形のマークの延長線上をたどった先の溝に現れます。スリップサインが出ていると、溝が途切れてしまっている状態です。

スリップサインは車を止めた状態で次のように確認します。

● 前輪:ハンドルを切って確認する
● 後輪:車の下に潜り込んで確認する

スリップサインが出る前に交換が理想

スリップサインは1.6mm未満の溝になる前に現れるサインです。しかし、タイヤは溝が1.6mmになる前から交換するように心がけましょう。タイヤの溝は車の制動力と大きく関係しています。タイヤの溝が浅くなると特に雨の日など路面が濡れている際に制動力が低下する傾向にあり、溝が4mmを下回った頃から制動力の低下が現れるとされています。

また、タイヤの溝が浅くなるとハイドロプレーニング現象が起こりやすくなるでしょう。ハイドロプレーニング現象とは濡れた道路を走る際に、タイヤと道路との間に水の膜ができてしまいブレーキやハンドルが効かなくなってしまう状態です。ハイドロプレーニング現象も、タイヤの溝が4mmを下回った頃から現れやすくなると考えられています。

スタッドレスタイヤには注意

夏用タイヤは溝が1.6mmになるとスリップサインが現れます。しかし、スタッドレスタイヤは、摩耗が50%進んだタイミングでプラットホームと呼ばれる目印が現れます。プラットホームが現れたら、スタッドレスタイヤ交換のタイミングと捉えておきましょう。

4つのポイントからみるタイヤ交換のタイミング

車のタイヤは、スリップサインが現れる前の早い段階に交換することで、安全な運転につなげられます。スリップサイン以外にも、走行距離や使用年数からタイヤ交換のタイミング把握が可能です。

走行距離が約30,000kmに達したタイミング

車の走行距離が約30,000kmに達したタイミングがタイヤ交換の目安とされています。タイヤは走行距離が伸びるにつれて、摩耗して性能が落ちてしまいます。そのため、走行距離が約30,000kmに達したタイミングで、タイヤ専門店でタイヤの点検を受けてみましょう。

使用年数が約5年経過したタイミング

走行距離以外に、使用年数もタイヤ交換のタイミングを把握するポイントです。タイヤはゴムが主成分のため、経年劣化によって柔軟性が失われていき表面にひび割れが発生してしまいます。タイヤが劣化すると考えられているのが使用開始から約5年です。そのため、タイヤを約5年使用しているのであれば、交換を検討してみましょう。

見た目でも交換タイミングを把握可能

タイヤの見た目からでも交換タイミングを把握できます。例えばタイヤの側面が縁石などにぶつかってしまったことで側面に損傷が発生している、空気圧が不足して偏摩耗が起きているといった場合は、タイヤを交換する必要があります。偏摩耗はタイヤが均等に摩耗せずに、タイヤの一部分に偏った摩耗が発生している状態です。空気圧不足以外の原因に応じて、次のように摩耗する箇所が異なると考えられています。

原因

摩耗箇所

空気圧の不足

タイヤの両端が摩耗

空気圧が高い

タイヤの真ん中が摩耗

アライメント不良(車の進行方向に対してタイヤの角度がずれている)

タイヤの外側もしくは内側が摩耗

実際に運転したときの感覚で交換する

実際に車を運転したときの感覚でも、タイヤ交換の時期を計れます。例えばタイヤは走行距離が長くなると静粛性が落ちていってしまうため、運転中の走行音(ロードノイズ)を確認してみましょう。ロードノイズは低周波音域で、ゴーといった音が特徴です。また、ブレーキの効きが悪くなっている、雨の日に滑りやすくなったといった感覚もタイヤ交換の検討に値します。

タイヤはメンテナンス次第で寿命を延ばせる

タイヤは定期的に交換が必要です。しかし、メンテナンス次第でタイヤの寿命を延ばせるため、交換の頻度も減らせます。車を運転した後にタイヤが釘や小石などを踏んでいないかといった簡単なチェック以外にも、タイヤの寿命を延ばせるメンテナンスがあります。

適正な空気圧かを確認する

車には車種に応じた空気圧があり、ドアもしくは給油口のキャップ付近にタイヤの空気圧について記載したステッカーがあります。タイヤの空気圧の低下は燃費の悪化にも繋がりますので、使用しているタイヤが適正な空気圧かを定期的に確認しましょう。自分でタイヤの空気圧を確認するには、空気圧計をタイヤのバルブに押し当てます。なお、走った後のタイヤは摩擦によって加熱されているため、空気圧が高く表示されることもあり、走行後から時間を置いた状態で測定しましょう。空気圧はガソリンスタンドやディーラー、タイヤ交換を行う専門業者などにも測定を依頼できます。

タイヤをローテーションする

タイヤ装着からずっと同じ位置で使用していると、前輪、後輪で摩耗する部分に違いが出たり、部分的な摩耗が発生したりします。例えばエンジンがフロント部分にある車種の場合、前輪の摩耗が早くなる傾向にあります。

タイヤの寿命を延ばすには、定期的にタイヤをローテーションしていくのがポイントです。エンジンがフロント部分にあるのであれば、右前輪と右後輪、左前輪と左後輪を入れ替えてタイヤの摩耗を均一にしていきます。タイヤローテーションで入れ替える時期や組み合わせは、車の駆動方式や車の種類によって異なるため、専門業者に相談するのがおすすめです。

タイヤはガレージや物置で保管する

タイヤは直射日光や水分の影響を受けて劣化してしまいます。そのため、ガレージや物置といった、日の当たらず涼しい屋内で保管するのが理想的です。保管時はタイヤの空気を半分ほどまで抜いておくことで、ゴムの劣化やひび割れの防止につながります。

日頃から丁寧な運転を心がけることも大切

タイヤの劣化は環境だけでなく、運転の影響も受けます。例えば急ブレーキは偏摩耗の原因になる可能性があります。また、縁石などにぶつかってしまうとタイヤの損傷につながりかねません。安全面はもちろんのこと、タイヤの寿命を延ばすという点でも日頃から丁寧な運転を心がけましょう。

車のタイヤ交換は適切なタイミングで行う

車のタイヤは溝が1.6mmより少なくなったら車検にも通らないため交換する必要があります。しかし、溝が1.6mmになる前から走行に不具合が出てくる可能性が考えられます。そのため、走行距離や使用年数、運転してみた感覚などに基づいて早めに交換することが大切です。車のタイヤはメンテナンスによって寿命を延ばせます。適切なメンテナンスを行うとともに交換の時期をしっかり見極めて、安全な運転につなげましょう。