Column 速太郎コラム

車検時にタイヤ交換をすれば費用を抑えられる?

2023.04.14

車検は車が安全に走るために必要な検査です。車検ではもちろんタイヤの状態も確認されます。そのため、状態の悪いタイヤは車検時に交換が必要となります。では、車検時に交換が必要なのであれば、車検前に前もってタイヤ交換を済ませておいた方が良いのでしょうか?本記事では、車検時のタイヤ交換基準やタイヤ交換のタイミング、車検時のタイヤ交換のメリットなどを解説します。

タイヤの状態が悪いと車検に通らない可能性がある

車検は対象の車が安全に走れるかを確認します。そのため、車が安全に走るために欠かせないパーツであるタイヤの状態は、車検の合否を左右すると言えるでしょう。

車検で確認されるタイヤの状態は次の2つです。

● タイヤの溝
● タイヤの状態

タイヤは使用していると摩耗してしまい溝が減っていきます。タイヤの溝の深さは道路運送車両の保安基準として1.6mm以上であることが定められているため、それより溝が少なくなっていると車検に通りません。(※)また、タイヤの表面にキズやひび割れが発生していて、ゴムが劣化している場合も車検に通らない可能性があります。

タイヤ交換のタイミングは夏用・冬用で異なる

タイヤの交換タイミングは、夏用のタイヤと冬用タイヤであるスタッドレスタイヤで異なります。夏用タイヤは溝の残りが4mm以下になったら交換のタイミングとされています。また、タイヤにはスリップサインが設けられています。スリップサインは保安基準でのタイヤ溝の限度になる1.6mmになるとタイヤの表面と同じ高さとなり、ユーザーにタイヤ交換の必要性を伝えるものです。スリップサインが見えるほど摩耗したタイヤは車検に通りません。

また、溝が残っている場合であっても、使用期間が長くなるとタイヤの柔軟性が減ってしまいブレーキやハンドリングに影響を及ぼしかねません。そのため、溝が残っていても使用開始から5年が交換の目安といわれています。

一方、冬用タイヤは使用条件や保管状況によって左右されますが、使用開始から3年~4年が経過した時期が交換タイミングとされています。ただし3年~4年経過していなくても、溝が新品から50%以下となった場合も交換タイミングです。

スタッドレスタイヤのブロックにはプラットホームという突起があります。プラットホームがブロックと同じ高さになると溝が50%摩耗したことになるため、タイヤを交換しましょう。

走行距離でもタイヤ交換のタイミングは分かる

夏用タイヤ、冬用タイヤともに走行距離からもタイヤ交換のタイミングが判断可能です。一般的に夏用タイヤは走行距離が30,000km~50,000kmに達したタイミング、冬用タイヤは10,000km~15,000kmに達したタイミングがタイヤの交換時期とされています。

タイヤ交換はどこで行う?

車検前であれば、新車ディーラーや自動車整備工場、タイヤ専門店、カー用品店、ガソリンスタンドなどタイヤ交換をどこで行うかはユーザーの自由です。依頼先ごとの特長は次のとおりです。

● 新車ディーラー:新車メーカーやタイヤブランド専属のエンジニアがいる
● 自動車整備工場:メーカー、タイヤブランド問わず幅広く相談できる
● タイヤ専門店:タイヤについて専門知識が高く、在庫が豊富で即交換できる
● カー用品店:タイヤ以外にもカーアクセサリーが充実している
● ガソリンスタンド:街のさまざまな場所にあるため急な依頼も可能

新車ディーラーは費用が高くなる傾向にあるため、タイヤ交換の費用を抑えるのであれば、それ以外の自動車整備工場やタイヤ専門店、カー用品店、ガソリンスタンドへ依頼しましょう。

車検と一緒にタイヤ交換するとお得なの?

上記のように車検時にはタイヤ交換がどうしても必要となる場合があります。車検時に一緒にタイヤ交換をすることにメリットはあるでしょうか?
車検では必ずタイヤを外してタイヤの溝や状態を入念にチェックがされます。タイヤが車に付いている状態では気が付きにくいタイヤの内側や裏側のキズや摩耗が発見されることもあるでしょう。車検前にそのような不具合にユーザーが気付くのは難しいものです。ですから、よほどタイヤがすり減っているのが明らかな場合以外は車検での点検に基づいてタイヤ交換の必要性を判断した方が良いと言えます。
また、タイヤ交換の費用の安さから車検を受ける前にタイヤ専門店やカー用品店などで前もってタイヤ交換を行うのも一つの方法です。
ただ、そのために必要な移動時間やガソリン代もタイヤ交換費用としてかかっていると考えると、車検と一緒にタイヤ交換も行った方が手間もかからず一度に終わるという面で費用的にもメリットがあると言えます。
車検時のトータル費用をなるべく安く抑えたいと考えておられる方は、まず業者に車検を出した上でタイヤ交換の必要性を確認し、必要なのであればその業者でのタイヤ交換費用を含めた車検トータル費用を出してもらって検討してはいかがでしょうか。

ただし、車検を依頼する車検業者やディーラーによっては、自社でタイヤ交換を行わず、別の業者にタイヤ交換を再委託しているケースがあります。このような場合、タイヤ交換作業を再委託している分だけ費用が高くなってしまう場合があり注意が必要です。

他にもタイヤ交換の際には、タイヤのエアバルブ交換費用やタイヤの廃棄費用などは別途必要になる場合が一般的です。

車検時にタイヤ交換が必要になりそうな場合やタイヤ交換の希望がある場合は、前もって車検業者にタイヤ交換費用や付随する費用などを確認しておいた方が良いでしょう。

自分でタイヤ交換するのはリスクが高い

それでも、タイヤ交換にかかる費用を安くしたいと自分でタイヤ交換を行ったら?と考える方もおられるかもしれません。
タイヤ交換はタイヤチェンジャーやホイールバランサーなど専門の機械とタイヤ交換に関する知識・技術が必要なため、一般のユーザーが行うことは不可能と思ってください。上記のような業者に依頼する必要があります。
ただし、ホイールとセットでの付け替えであれば、ディーラーや専門店に依頼せずに、自分でも交換することは可能です。自分でタイヤを交換する場合、新たに取り付けるタイヤホイールセット以外にも、ジャッキ・ホイールレンチを始めとした専用の工具や広いスペースが必要です。

自分でタイヤを交換しようとすると体力を使うだけでなく、いくつかのリスクがあります。例えば、ジャッキで持ち上げた車体が落ちてきて思わぬ事故につながってしまう恐れがあります。また、交換して取り付けたはずのタイヤがホイールナットの締め付け不足などが原因で外れてしまう可能性も考えられます。

これらのリスクを考慮すると、自分でタイヤ交換をせずにディーラーや整備工場、タイヤ専門店などに依頼するのがおすすめです。

車検時のタイヤ交換にはメリットがある

タイヤの状態は車検時にチェックされる項目です。そのため、状態が悪いタイヤは車検時に交換が必要となります。車検を行う前にタイヤ交換を行うことも可能ですが、車検と一緒に交換の必要性も含めて判断した方が上記のようなメリットがあります。タイヤが車検に通るかどうか不安な方は前もって車検を行う業者などに確認をした上で、車検前にタイヤの交換を済ませておくべきなのか判断するのが良いでしょう。

また、タイヤ交換はホイールセットであれば自分でもできますが、思わぬトラブルにつながりかねないため、専門の業者に依頼するのがおすすめです。