Column 速太郎コラム

新車購入時のメンテナンスパックについて【軽自動車の場合】

2023.08.10

メンテナンスパックとは?

車を保有していく上で、避けては通れないもののひとつが車検です。
車検にかかる費用とはどの様なものがあるのでしょうか。

車検にかかる費用には法定費用と点検・整備費用があり、法定費用は税金等の為、値段を下げることはできませんが、点検・整備費用に関しては、車の利用状況や消耗部品の摩耗状況、車検を代行してくれる業者のサービス料や点検・整備料から成り立っています。この部分が業者や車の状態によって値段が変わる場所であると言えます。

メンテナンスパックというのは、車検までの整備や点検、消耗品の補充など、購入後のメンテナンスがセットになったパック商品のことです。
主に新車購入時にディーラーから加入を勧められることが多いと思います。
年間に、車のメンテナンスにどれくらいの費用がかかるのかを把握していなければ、おトクなのか分からないと思う人もいるでしょう。
ここでは軽自動車を例に挙げて、メンテナンスパックについて説明します。

メンテナンスパックの仕分け

まずは、軽自動車の車検費用のうち、法定費用がどのくらいかかるのか、確認してみましょう。法定費用で必要なものは、自賠責保険と重量税と印紙代の3つです。自賠責は17,540円必要となり、重量税は6,600円、印紙代は1,600円〜1,800円の合計25,740円〜25,940円必要になります。

次に、定期点検についてですが、これは各販売業者が定めている点検となります。
主に新車購入後だと、新車1ヶ月点検、新車6ヶ月点検まではメンテナンスパックに加入しなくても無料のところが多いです。
メンテナンスパックにはその後の、1年目の法定12ヶ月点検と6ヶ月点検、2年目の12ヶ月点検と6ヶ月点検、3年目の車検までが含まれることが多いです。

半年に1回のエンジンオイルの交換や1年に1回のオイルフィルターの交換はメンテナンスパックに含んでいるものもあります。ワイパー等の消耗部品は点検で消耗が見つかった場合に交換をすすめられたりすることになります。
普段カー用品店やガソリンスタンドで年2回くらいエンジンオイルを交換する人にとっては、点検時にエンジンオイルの交換をしてもらうと、サイクルがほぼ同じになるというわけです。

メンテナンスパックはおトクなのか?

それでは、軽自動車を新車で購入して、メンテナンスパックに加入した場合としなかった場合のディーラーでかかるメンテナンス費用がどれくらい違うのかを見ていきます。

メンテナンスパックは9万円の3年目の初回車検付きの5年(54ヶ月)コースに加入した場合とします。

同ディーラーでは、メンテナンスを付けないで法定点検や車検の度に費用を支払う場合の金額を約14万円としています。その差額は5万円にもなり、メンテナンスパックに加入したほうがおトクに感じられると思います。

ただし、法定点検や車検をディーラーよりも安く済ませることができる、「車検の速太郎」のような車検専門店に依頼し、オイル交換などの必要最低限のメンテナンスも費用の安いお店や自分で行うことにすれば、ディーラーのメンテナンスパックに加入するよりも安くなるかもしれません。

メンテナンスパックの特徴〜メリットとデメリット

メンテナンスパックは上述したように、点検や車検費用が抑えられたり、定期的に整備が受けられるので安心といったメリットがあります。
その一方で、オイル交換や点検は半年ごとに必ず実施となっているので、年間の走行距離が少ない人にとっては割高に感じられたり、途中解約した場合に料金が戻ってこない場合があったりとデメリットももちろんあります。

メリットとデメリットをよく理解した上で、加入した方が良いかを決定しましょう。

メリット①日々のメンテナンス費用が抑えられる

メンテナンスパックは新車購入時に料金を前払いしておくので、点検の度に基本の費用がかかることはありません。

また、新車購入から3年目の車検時にはある程度大きな費用が必要となります。メンテナンスパックに入っておけば、前払い制なので、その時に経済的負担がかからないですし、新車を購入する時にローンを組む場合は、メンテナンスパックもローンに組み込めるというメリットがあります。

メリット②定期的な点検・整備

メンテナンスパックに加入すると、点検のタイミングが近づいた時にディーラーからお知らせが来ます。そのため、うっかり点検を受け損なってしまったということはないと思います。
定期的に点検・整備を受けていれば、故障のリスクは軽減されると言えます。点検や整備を怠っていると新車といえども、思いがけず故障が起き、予想外の出費に見舞われることも十分にあり得ます。

メリット③メーカー保証が適用されやすくなる

軽自動車に限らず、新車には大体メーカー保証が数年はつきます。期間内に故障が起きた場合、それまでにディーラーでしっかりと点検を受けていたかどうかを問われることがあります。適正な点検・整備を行なわれていなければ、故障してもメーカー保証の対象とならない場合があります。

メンテナンスパックはディーラーが決めた点検・整備を定期的に受けることになるので、メーカー保証が適用されやすくなります。
メンテナンスパックに加入していない場合は、取扱説明書に記載されている正しい使用やメンテナンス、法令とメーカーが指定する点検・整備を全て受けていなければなりません。

デメリット①車検の業者が選べない

メンテナンスパックに加入すると初回の車検はディーラーで受けることになります。
車検専門店やカー用品店などの他の車検業者を選ぶことはできません。
費用もディーラーよりも安く、点検や整備内容も安心できる車検専門店が見つかったとしても、加入時に費用を前払いしているため、ディーラー以外で車検を依頼すると、損をすることになります。

デメリット②車検の法定費用は料金に含まれていない

車検の基本費用は料金に含まれていますが、冒頭で述べた法定費用については料金に含まれていません。
車検料金の中で法定費用はかなりの割合です。
そのことを頭に入れておかなければ、思いがけない出費になり、家計に大きな負担をかけることになるかも知れません。
また、車検で修理が必要な箇所や交換しないといけない部品が出てきた場合は、その修理代や部品代も支払わなければなりません。

デメリット③途中解約ができない場合が多い

メンテナンスパックは料金を前払いしているため、一度加入してしまうと、契約期間内の解約ができない場合が多いです。
車の買い替えや引越し等でサービスを利用できなくなる場合は、手数料等を支払えば解約できることもありますが、余計な出費は発生してしまいます。
また、定期点検や無料のオイル交換等のサービスを利用していなくても、その料金が返金されることはほぼないと思っておいた方が良いでしょう。

メンテナンスパックが不要な人

点検・整備や車検にかかる費用をなるべく安く済ませたい人には、メンテナンスパックは決しておトクではありません。
また、途中で車を手放したり、買い替えたりする可能性がある人も、メンテナンスパックには加入しないほうが良いでしょう。
適正な点検・整備等を自分で管理でき、車検や点検を依頼できる業者を自分で探すことができる人には、メンテナンスパックは不要と言えるでしょう。

まとめ

①メンテナンスパックとは、主に新車購入時にディーラーで加入することができる、購入後の点検・整備、車検等のメンテナンスがセットになった商品である。
②人によってはメンテナンスの費用が抑えられ、適正な点検・整備を受けられる等のメリットがある。
③途中解約できなかったり、車検の業者を選ぶことができない、法定費用は料金に含まれていないため、思いがけない出費が発生する等のデメリットがある。
④車の状態や、点検・整備や車検等を依頼する業者を自分で管理できる人にとってはおトクにならなかったり、契約期間中に車を手放したり、買い替えたりする可能性がある人には不要と言える。