Column 速太郎コラム

カーフィルムを貼っても車検は通る? 車検に通るカーフィルムの条件を解説

2023.11.28

カーフィルムは紫外線対策やプライバシー保護に役立つ便利なアイテムですが、選び方や貼り方によっては、車検に通らなくなってしまう可能性があります。

せっかく貼ったカーフィルムが無駄にならないよう、貼るときは車検に通るか否かを事前にチェックしておきましょう。

本記事では、カーフィルムを貼っても車検に通るのかを解説します。また、車検に通るカーフィルムと通らないカーフィルムの違いも紹介します。

カーフィルムを貼っていても車検は通る

カーフィルムを貼ろうと思っていても「もしかしたら車検に通らないかもしれない」と不安を感じている方がいるかもれません。

結論からお伝えすると、カーフィルムを貼っている車を車検に通すことは可能です。

ただし、車検に通るには、道路運送車両法で定められた保安基準を満たしていなければなりません。

道路運送車両の保安基準第29条3においては、窓ガラスに関して以下のように規定されています(※)。

● 自動車の前面ガラスおよび側面ガラスは、運転者の視野を妨げないもの
● ひずみ、可視光線の透過率などに関し告示で定める基準に適合するものでなければならない

カーフィルムの貼り付けで問題になるのは可視光線の透過率になりますが、透過率については、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第39条7において、以下2つを満たしていることが条件です(※)。
● 装着され、貼り付けられ、または塗装された状態において透明であるもの
● 上記の場合において、運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分にあっては可視光線透過率が70%以上 であることが確保できるもの

つまり、可視光線透過率70%以上かつ透明なカーフィルムであれば、フロントガラスやサイドガラスに貼り付けても車検を通すことができます。

カーフィルムの可視光線透過率の測定に関する通達

カーフィルムの可視光線透過率は、専用の測定機器を用いて測る必要があります。これまでは使用する測定器自体に指定がなかったため、整備工場がおのおのの裁量で選んだ機器が用いられていました。

しかし、測定機器は製品によって性能や精度が異なるため、同じ機器を使用しないと透過率に差が出る可能性があります。

そこで国土交通省は、2023年1月13日付 で各地方運輸局および内閣府沖縄総合事務所宛てに、指定自動車整備事業におけるカーフィルムなどが装着された自動車の指導についての留意点を示した通知を行いました。

当該通知では、以下のことが明記されています(※)。

● カーフィルムの可視光線透過率を測定する際は、道路運送車両の保安基準第29条第3項 に規定された要件を満たす測定器を用いること
● この取り扱いによって判定しない場合は、運輸支局等または軽自動車検査協会に持ち込んで受検する必要があること

可視光線透過率70%以上のカーフィルムのみ車検可という点は変わりませんが、同じ測定器を用いて透過率を測定することで、より公平にカーフィルムを貼った車の車検合否が判定できるようになったと言えます。ただし、測定器が統一されたことで工場によってはその測定器を保有していない場合もあり、工場で車検合否の判断が出来ない場合もあるので注意が必要です。

車検に通るカーフィルムと通らないカーフィルム

車に貼り付けるカーフィルムにはいろいろな種類があります。このうち車検に通るカーフィルムと、通らないカーフィルムの条件についてそれぞれ解説します。

車検に通るカーフィルム

車検に通るカーフィルムの条件は、前述のとおり、透明かつ可視光線透過率が70%以上のものです。それ以外のものは原則として車検に通らないので、カーフィルムを貼り付けるときは注意しましょう。

なお、上記の条件が適用されるのは、道路運送車両の保安基準第29条3で定められているとおり、自動車の前面ガラスおよび側面ガラス(運転席の両側のサイドガラス)のみです。

それ以外の窓ガラス、つまり後席のサイドガラスとリアガラスについては、カーフィルムに関する法規制がありません。そのため、透明以外のカーフィルムや可視光線透過率70%未満のカーフィルムでも貼り付けが可能です。

車検に通らないカーフィルム

車検に通らないカーフィルムは、フロントガラスおよび前席のサイドガラスにおいて、透明以外かつ可視光線透過率70%未満のものです。

なお、車検に通したときは問題がなくても、紫外線などの影響で日焼けが進むと可視光線透過率が徐々に低下することがあります。

長年同じカーフィルムを貼り付けていると、いつの間にか基準外になってしまい、車検に通らなくなる可能性があるので要注意です。

また、カーフィルム自体が保安基準を満たしていても、上からロゴやステッカーを貼り付けていると、透明以外のものの貼り付けとなり、運転手の視界が遮られているとみなされ、車検が通らなくなってしまうため注意が必要です。

カーフィルムは種類によって車検に通らないこともある

自動車の前面ガラスや前席のサイドガラスに貼り付けるカーフィルムには、法律で決められたルールがあります。

透明かつ可視光線透過率が70%以上のカーフィルムでないと保安基準をクリアできず、車検に通らなくなってしまうので注意しましょう。

専門業者に依頼すれば、保安基準を満たすカーフィルムを選んで貼り付けてくれますが、経年劣化すると可視光線透過率が下がることもあります。古くなったカーフィルムは適宜交換し、保安基準を満たす状態をキープできるようにしましょう。