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車の自賠責保険が切れた時はどうする?切れてしまった時の対処法や有効期限の確認方法を解説

2023.10.31

自賠責保険(共済)は、交通事故の被害者になった場合だけでなく、万が一事故を起こしてしまった場合にも利用できる保険です。自賠責保険には、車検と同様に有効期限があります。自賠責保険が切れた時には、すぐに対処しなくてはなりません。

本記事では、車の自賠責保険が切れた時の対処方法や、有効期限を確認する方法、自賠責保険に関する注意点を詳しく解説します。

自賠責保険に加入していないと法律により罰せられる

自賠責保険が切れたまま車を運転した場合、法律により罰せられます。無保険での運転で事故を起こした場合はもちろん、自賠責保険に未加入の状態で運転すること自体が罰則の対象です。

国土交通省は無保険車対策(自賠責保険未加入の車)として、街頭取り締まりや駅前駐輪場などでの監視活動、無保険車を見つけた場合の通報窓口の設置など、さまざまな施策を実施しています。

自賠責保険に加入しないリスクを知り、有効期限が切れていないかを確認することが大切です。

自賠責保険に未加入の状態で運転した場合

自賠責保険に未加入の状態で車を運転した場合、自動車損害賠償保障法により、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。また、交通違反点数として6点が付され、即座に免許停止処分が下されます。(※)

また、自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責保険証)を所持していなかった場合も、30万円以下の罰金が科されるため、運転時には自賠責保険証を必ず携帯しましょう。

無保険での運転で事故を起こした場合

無保険での運転で事故を起こした場合は、当然ながら自賠責保険は利用できません。また、任意保険に加入していた場合でも、自賠責保険の支払限度額を超えた部分にしか適用されない点に注意が必要です。そのため、自賠責保険に未加入の状態で事故を起こして被害者に傷害などの損害を与えてしまうと、多額の賠償金を支払うことになります。

 

損害の範囲

自賠責保険の支払限度額(被害者1名当たり)

傷害による損害

治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料

最高120万円

後遺障害による損害

逸失利益、慰謝料など

常時介護の時:最高4,000万円

随時介護の時:最高3,000万円

死亡による損害

葬儀費、逸失利益、慰謝料

最高3,000万円

死亡に至るまでの傷害による損害

(傷害による損害の場合と同じ)

最高120万円

例えば、被害者を死亡させた場合、本来は自賠責保険から支払われるはずの3,000万円を全て自身で賠償しなければなりません。万が一、車の自賠責保険が切れていることに気付いたらすぐに対処しましょう。

車の自賠責保険が切れた時の対処方法

車の自賠責保険が切れた時の対処方法を紹介します。車の自賠責保険が切れてしまったら、以下の順番で対処しましょう。

1. まずは自賠責保険に再加入する
2. 車検も切れている場合は仮ナンバーを取得する
3. 最後に車検を受ける

まずは自賠責保険に再加入する

車の自賠責保険が切れた時は、まず自賠責保険の再加入手続きをしましょう。必要な書類は、自賠責保険に加入する時と同様で以下のとおりです。

● 車検証(自動車検査証)
● 現在加入している自賠責保険の証明書

自賠責保険に関する手続きは、加入する保険会社の窓口だけでなく、ディーラーや中古車販売店などの自動車販売店、ガソリンスタンド、車検専門店などの整備工場以外にもカー用品店などで行うことが可能です。原付を含む250cc以下のバイクの場合、一部のコンビニや郵便局、インターネットなどでも自賠責保険に再加入できます。(※)

ただし、自賠責保険の再加入手続きのために有効期限が切れた車を運転しないようにしましょう。前述のとおり、無保険車の運転は1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

車検も切れている場合は仮ナンバーを取得する

自賠責保険だけでなく、車検も切れている場合は、市区町村の窓口で仮ナンバーを取得しましょう。
車検のない原付を含む250cc以下のバイクを除き、車は新車登録の際に次の車検までの自賠責保険に加入しており、初回車検以降は車検ごとに次の車検満了日を満たすように自賠責保険の更新がされるようになっています。そのため、自賠責保険が切れた場合はまず車検も切れていると考えられるからです。
仮ナンバーを取得すれば、車検が切れた車を一時的に運転できるようになり、ガソリンスタンドや車検を受ける業者に直接車を持ち込めます。レッカー移動する場合も、仮ナンバーの取得が必要なため、速やかに手続きすることが重要です。

最後に車検を受ける

仮ナンバーを取得したら、最後に車検を受ける業者に車を持ち込み車検を受けます。なお、前述したように自賠責保険の更新手続きは、基本的には車検の際に車検業者が代行してくれますから、自賠責保険が切れているのに気付いた際、車検を受ける業者が決まっている場合はそこに相談するのも良いでしょう。自賠責保険を切らしてしまわないためにも、車検は決められたタイミングで忘れずに受けるようにしましょう。

自賠責保険の有効期限を確認する方法

自賠責保険の有効期限を確認する方法を紹介します。自賠責保険の有効期限は、自賠責保険証を確認するのが確実ですが、車やバイクに表示してあるステッカーなどでもある程度確認することができます。(※)
ただし、ステッカーでは日にちまでは確認できず、車に表示される車検ステッカーはあくまで車検証の有効期間満了月を示すもので、自賠責保険の有効期限は車検ステッカーが示す月より先の場合もあるため、ステッカーで自賠責保険切れが疑われる場合は自賠責保険証を直接確認しましょう。

車種

自賠責保険の有効期限を確認する方法

自動車および排気量250ccを超えるバイク

フロントガラスに貼ってある車検ステッカー(検査標章)

排気量250cc以下のバイク(原付を含む)

ナンバープレートに貼ってある自賠責保険加入ステッカー(保険標章)

自賠責保険の有効期限が切れると、再加入するまでは車が使えなくなるため、有効期限が切れる前に更新手続きを済ませておくことが大切です。

自賠責保険についての注意点

自賠責保険が切れていたり、自賠責保険証を携帯せずに運転をすると罰則の対象になります。そうならないためにも、注意したい点は以下の2つです。

● ユーザー車検は自分で手続きをする必要がある
● 自賠責保険証を紛失したら保険会社に問い合わせる

自動車販売店や整備工場、車検専門店、ガソリンスタンドなどの車検業者で車検を受ける場合と違い、ユーザー車検を受ける場合は、自賠責保険の更新手続きを自分でしなければなりません。また、自賠責保険証を紛失したことに気付いたら、すぐに保険会社に問い合わせましょう。また、保険会社が分からない場合は前回車検を受けた車検業者に問い合わせましょう。

ユーザー車検は自分で手続きをする必要がある

ユーザー車検の場合は、自賠責保険の更新手続きを自分でする必要があります。前述のとおり、自賠責保険に関する手続きは、保険会社の窓口の他にもディーラーや中古車販売店などの自動車販売店、ガソリンスタンド、車検専門店などの整備工場以外にもカー用品店などで行うことができ、一般的に車検の際に車検業者が更新手続きを代行してくれます。

運輸支局などに自分で車を持ち込んで車検を受けるユーザー車検の場合、自賠責保険の更新も自分で行わなければなりません。上記の業者以外に運輸支局の窓口などでも手続きが可能なため、忘れずに更新手続きを行いましょう。

自賠責保険証を紛失したら保険会社に問い合わせる

自賠責保険証を不携帯の状態で運転した場合も罰則の対象です。自賠責保険証を紛失した際は、早急に保険会社に問い合わせましょう。自賠責保険証を紛失したり、汚損・破損させたりした場合は、再加入ではなく再発行の手続きをします。

再発行の手続きは、再発行したい自賠責保険証の交付手続きを行った業者以外ではできません。交付業者か加入している保険会社の窓口でのみ再発行が可能なため、自賠責保険証の紛失・汚損・破損に気付いたら、すぐに交付業者か保険会社で手続きを行いましょう。

車の自賠責保険が切れた時の正しい対処方法を知ろう

車の自賠責保険の有効期限が切れたら、できるだけ早く再加入しましょう。自賠責保険に加入していない状態で車を運転した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。もし無保険車で事故を起こしてしまったら、多額の賠償金を全額自己負担しなければなりません。

車の自賠責保険の有効期限は、車検ステッカーなどでも確認できます。自賠責保険の更新は、通常自動車販売店やガソリンスタンド、車検専門店、カー用品店などで車検を受ける際に業者が代行してくれます。自賠責保険が切れた時の正しい対処方法を知った上で、知らない間に切れてしまったということがないよう十分に気を付けましょう。