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車検でワイパー交換は必要?ワイパーの点検項目や車検に落ちるケースを紹介

2023.09.04

車検では、ワイパーも検査対象に含まれます。ワイパーの検査は、車検の項目の中の外観検査に含まれており、ワイパーの状態によっては車検に通らない可能性があります。車検におけるワイパーの点検項目を知り、必要に応じて交換を行いましょう。本記事では、ワイパーの主な点検項目や車検に落ちるケースを紹介します。

ワイパーの交換は必要?車検の外観検査の一つ

車検を申し込む際にワイパーの交換が必要か悩む方もいるかもしれませんが、ワイパーは車検の検査対象に含まれています。車検の主な検査項目として、外観検査、サイドスリップ検査、スピードメータ検査、ヘッドライト検査、ブレーキ検査、排気ガス検査、下回り検査があり、その全ての基準を満たさないと車検に合格できません。

ワイパーは、外観検査でチェックする項目の一つに含まれています。そのため、ワイパーに外観上明らかな不具合がある場合は、あらかじめ交換しておくとよいでしょう。

車検におけるワイパーの点検項目

車検におけるワイパー(窓ふき器)の保安基準は、道路運送車両の保安基準(第45条)で定められています。(※)

1. 前面ガラスの直前の視野を確保できるものとして、視野の確保に係る性能等に関し告示で定める基準に適合する自動式の窓ふき器を備えなければならない。
2. 前面ガラスの外側が汚染された場合又は前面ガラスに水滴等により著しい曇りが生じた場合において、前面ガラスの直前の視野を確保でき、かつ、安全な運行を妨げないものとして、視野の確保に係る性能等に関し告示で定める基準に適合する洗浄液噴射装置及びデフロスタを備えなければならない。

ワイパーが基準通りに動作しているか、ウィンドウォッシャー液(洗浄液噴射装置)が作動し、フロントガラスの視野が確保できているかが主にチェックされます。ワイパーの部分だけでなく、ウィンドウォッシャー液の動作も点検項目に含まれることを覚えておきましょう。

なお、通常の車検では、フロント部分のワイパーしか検査対象になりません。リアウインドウの汚れを落とすリアワイパーに関しては、基本的にはどのような整備状況でも車検に通ることが多いです。リアワイパーがついていなくても問題ありませんが、自身でリアワイパーを取り外すなどして突起が残ってしまっていたりすると、車検に通らない可能性があるため注意しましょう。

ワイパーが原因で車検に落ちるケース

ワイパーが原因で車検に落ちるケースは、大きく分けて3つあります。

● ワイパーのゴムが劣化している
● ワイパーアームが折れている
● ウィンドウォッシャー液のノズルが詰まっている

前述のとおり、車検で確認されるのは、ワイパーとウィンドウォッシャー液の動作です。ワイパー本体に問題がなくても、ウィンドウォッシャー液のノズルが詰まっている場合、車検に落ちてしまう可能性があります。

ワイパーゴムが劣化している

ワイパーゴムが劣化していると車検に落ちやすくなるので気を付けましょう。ワイパーゴムは、ワイパーの水切れに大きく影響する部品です。ワイパーゴムが劣化している場合、水やウィンドウォッシャー液の拭き残しができたり、ワイパーの動作中に異音が生じたりする可能性があります。

車検時は、ワイパーゴムの劣化状況は直接確認されるため、外観上明らかな破損やひび割れ、脱落、硬化などが見られる場合、車検に落ちる可能性があります。ワイパーゴムは1年に1回ほどを目安として新しいものに交換しましょう。ワイパーを作動させたとき、ゴム部分がフロントガラスにぴったり接して動いている状態で窓の水滴を除去できるようであれば問題ありません。

ワイパーアームが折れている

ワイパーアームが折れている場合も車検に落ちやすくなってしまいます。ワイパーアームは、ワイパーのゴム部分を支える腕の部分です。ワイパーアームは非常に細いため、経年劣化や積雪、台風などの影響で折れてしまうことがあります。ワイパーアームが折れていると、国が定めた保安基準を満たしていないとされて、車検に通らない可能性があります。

ワイパーアームが折れたまま使っていると、水やウィンドウォッシャー液をきちんと拭き取れません。また、フロントガラスを傷付けてしまう恐れもあります。車検を受ける前にワイパーアームの状態を点検し、外観上明らかな折れや曲がり、ガタつきなどがないかをチェックすることが大切です。

ウィンドウォッシャー液のノズルが詰まっている

ウィンドウォッシャー液のノズルが詰まっている場合も、車検に落ちやすくなるため注意が必要です。ウィンドウォッシャー液はエンジンルーム内のタンクに充填されており、ノズルを通じて噴射されます。ノズルの部分が詰まっている場合、ウィンドウォッシャー液の向きがおかしかったり、勢いが弱かったりして、車検時に指摘される可能性があります。

保安基準で定められているとおり、ウィンドウォッシャー液は、前面ガラスの視野を確保して安全な運行をするために、適切に噴射される状態でなければなりません。ウィンドウォッシャー液がワイパーの可動範囲に噴射されていない場合は、車検を受ける前に点検整備を行いましょう。

以上のようにワイパーが原因で車検に落ちてしまうこともあるため、日頃から異常がないか気を付けておくことが大切です。

ワイパーは日常点検を行おう

ワイパーが原因で車検に落ちることがないよう、ワイパーは日常的に点検整備を行いましょう。国土交通省が作成したチェックシートによると、車の日常点検が必要な箇所は15項目あります。(※)

点検箇所

項目

エンジンルーム

ブレーキ液の量

冷却水の量

エンジン・オイルの量

バッテリ液の量

ウィンドウォッシャー液の量

車の周り

ランプ類の点灯・点滅

タイヤの亀裂・損傷の有無

タイヤの空気圧

タイヤの溝の深さ

運転席

エンジンのかかり具合・異音

ウィンドウォッシャー液の噴射状態

ワイパーの拭き取り能力

ブレーキの踏み残りしろと効き具合

駐車ブレーキの引きしろ(踏みしろ)

エンジンの低速・加速状態

ワイパーの日常点検では、低速・高速でそれぞれワイパーを動かし、不具合がないかを確かめます。また、ウィンドウォッシャー液がきちんと噴射されているか、ワイパーによる拭き残しがないかもチェックしましょう。ワイパーの空拭きは、フロントガラスを傷付ける原因になるため注意が必要です。ウィンドウォッシャー液を噴射してから点検を行うようにしましょう。

ワイパーは定期的に点検し、不具合がある場合は交換しよう

車検では、ワイパーの動作に問題がないかもチェックされます。ワイパーに外観上明らかな問題がある場合は、車検に通らない可能性があるため、事前に交換しておきましょう。

また、道路運送車両の保安基準によると、車検ではワイパーだけでなくウィンドウォッシャー液がきちんと作動するかも重要です。日常点検を行い、日頃からワイパーやウィンドウォッシャー液の状態を確認するのがおすすめです。こまめに点検することで、ワイパーの不具合にも気付くことができます。問題があるワイパーを使用していると、車検に通りにくくなるだけでなく、前方の視界が悪くなるなどして事故につながる危険があります。安全に走行するためにも、ワイパーに不具合がある場合は交換するようにしましょう。