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ドライブレコーダーの安全運転支援機能とは?

2023.08.25

ドライブレコーダーは、あおり運転や事故に遭遇した際に証拠映像を撮影できる上、あおり運転の被害を抑止する効果も期待できます。しかし、ドライブレコーダーの機能や効果はこれだけではありません。最近では運転をサポートする安全運転支援機能が付いたドライブレコーダーも登場しています。

本記事ではドライブレコーダーの安全運転支援機能について、具体的な機能の例やメリットを解説します。

ドライブレコーダーの安全運転支援機能とは

ドライブレコーダーに備わった安全運転支援機能はさまざまです。具体例として以下のような5つの機能が挙げられます

● 前の車の発進を知らせる
● 前の車との車間距離の接近を知らせる
● 車線のはみ出しを知らせる
● 速度超過を知らせる
● 危険エリアを知らせる

それぞれの機能について詳しく解説します。

1. 前の車の発進を知らせる

1つ目は前の車の発進を知らせる機能です。信号待ちで停車しているとき、通常であれば前の車が発進すればすぐに分かりますが、他のことに気を取られていたりすると、前の車の発進に気付かないこともあるかもしれません。

前の車の発進に気付くのが遅れると、後続車からクラクションを鳴らされてしまい、焦って急発進してしまう可能性があります。急発進や急加速は、事故につながりかねない危険な行為です。

安全運転支援機能で前の車の発進に気付ければ、危険な運転の防止につながります。

2. 前の車との車間距離の接近を知らせる

2つ目は前の車との車間距離の接近を知らせる機能です。前の車との追突事故を防ぐためには車間距離が重要です。

前の車との十分な車間距離を保つのに効果的なのが、ドライブレコーダーの安全運転支援機能です。前方の車との車間距離が詰まってしまった際に、ドライブレコーダーが車間距離の接近を警告してくれます。

車間距離を詰めすぎてしまうと、追突事故につながるだけでなく、あおり運転を疑われてしまう可能性もあります。そうならないためにも、安全運転支援機能を活用して程よい車間距離を維持しましょう。

3. 車線のはみ出しを知らせる

3つ目は車線のはみ出しを知らせる機能です。車線を大きくはみ出してしまうと、対向車線から来る車との衝突事故につながってしまいます。車線をはみ出してしまう原因は、わき見運転や速度超過、ハンドル操作の誤りなどが挙げられます。ドライブレコーダーの安全運転支援機能が警告をしてくれることで、車線をはみ出したことに気付けるでしょう。

4. 速度超過を知らせる

4つ目は速度超過を知らせる機能です。速度を出し過ぎると、カーブを曲がり切れない、急な飛び出しに対応できないといったリスクが大きくなり、事故が起きやすくなります。また、事故が起きやすいだけでなく、衝突してしまった際の衝撃も大きくなることから、重大な事故につながってしまう可能性があります。

安全運転支援機能が備わっているドライブレコーダーであれば、速度が超過した際に警告音を発してくれるため、そのようなリスクを低減させてくれるでしょう。

5. 危険エリアを知らせる

5つ目は危険エリアを知らせる機能です。運転をしているとさまざまエリアを走行しますが、交通事故が多発しているエリアや、幼稚園や小学校の近くといったエリアを運転する際は、より慎重な運転が求められます。ドライブレコーダーの安全運転支援機能は、こういった事故につながりかねないエリアに近づいたことを知らせてくれます。

安全運転支援機能を搭載したドライブレコーダーを設置するメリット

安全運転支援機能を搭載したドライブレコーダーを設置することで、ドライバーには多くのメリットがあるでしょう。例えば、安全運転支援機能は、運転に慣れていない初心者ドライバーをサポートしてくれます。また、次のような原因による事故の防止にもつながります。

● 判断力の低下による事故
● 眠気による事故
● 集中力が散漫になったことによる事故

疲れている時の運転や長時間の運転では、集中力が低下してしまうことも多く危険です。安全運転支援機能が警告してくれることで、事故のリスクを減らせる可能性があります。ただし、安全運転支援機能は確実に事故を防いでくれるものではありません。休憩をとれるのであれば、車をパーキングエリアなどに停めて休むなどしましょう。

安全運転支援機能を搭載したドライブレコーダーを設置する際の注意点

安全運転支援機能搭載のドライブレコーダーを設置する際は、設置方法や設定に注意が必要です。もし、適切に設置・設定できていないと、安全運転支援機能が正しく作動しない可能性があります。ドライブレコーダーの設置に不安が残る場合は、自動車整備工場やカー用品店などに取り付けを依頼するのがおすすめです。

また、ドライブレコーダーを選ぶ際は、自身の求める機能を具体的に考えて選ぶようにしましょう。ドライブレコーダーによって搭載されている機能や、その性能は異なります。そのため、自分がどのような機能を求めるか、どれくらいの性能を求めるかを明確にした上で選ぶことが大切です。

正しく作動してもドライブレコーダーの機能を過信しない

ドライブレコーダーを適切に設置して正しく作動したとしても、その機能を過信しないようにしましょう。ドライブレコーダーの安全運転支援機能を活用することで事故の防止が期待できるといっても、100%事故を防げるわけではありません。

警視庁では、運転支援機能の性能の過信・誤用が原因とした交通事故が発生しているとして、機能を過信せず、運転手が責任をもって安全運転をするよう注意喚起しています。また、運転支援機能は、運転者が周囲の状況を確認しながら安全運転を行うことを前提としたものであるともしています。(※)運転支援機能搭載車のドライバーを対象としていますが、ドライブレコーダーの安全運転支援機能であっても同様に、機能に頼り過ぎないよう運転手自身が注意を怠らずに運転しなければなりません。安全運転支援機能の限界や注意点を正しく理解して、ドライバーとして責任を持って安全運転に努めましょう。

安全運転支援機能付きドライブレコーダーは社用車にも搭載されている

安全運転支援機能付きドライブレコーダーは一般車だけでなく、企業が営業や配送などで使用する社用車にも搭載され始めています。社用車に安全運転支援機能を搭載したドライブレコーダーを取り付けることで、業務中の事故防止につながります。

業務中の事故は企業側も責任を問われる可能性がある

万が一、従業員が業務中に社用車で交通事故を起こしてしまった場合、企業は運行供用者責任や使用者責任を問われる可能性があります。運行供用者責任とは、運行供用者(自動車の運行による利益を得る者)は免責要件を立証しない限り、事故を起こした人物に代わり損害賠償の責任を負うというものです。(※)

社用車に安全運転支援機能が付いたドライブレコーダーを設置することは、運転手である従業員の安全対策になるだけではなく、このような企業側のリスクを軽減するためにも効果的です。

安全運転支援機能付きドライブレコーダーを活用して安全運転に努めよう

安全運転支援機能付きのドライブレコーダーであれば、前の車と接近した際や車線をはみ出した際、スピードを超過した際などに警告を発してくれるため、事故のリスクの軽減につながります。ただし、正しく作動させるためには、ドライブレコーダーを適切に設置する必要があります。また、安全運転支援機能は100%事故を防止するわけではありません。安全運転支援機能に頼りすぎることなく、注意点や機能の限界を正しく理解して安全運転に努めましょう。