コラム

国土交通省は、車を街頭で検査する権限も有します

国土交通省による車の検査というと、一般的には陸運局などで実施される車検のことが想起されます。しかし、国土交通省が有する権限は、そのような受け身の検査だけではありません。車検は、現在では業者が代行するのが一般的ですが、本来はオーナーが愛車を陸運局などに持ち込んで所定の検査を受けることです。しかしこれは、官側からすれば受け身の立場になります。受け身の立場というのは、持ち込まれたときの状態しか確認できないため、実際に行動ではどのような状態で走行しているのかわからないのです。つまり、その時にだけ、きちんと整備された状態にしておいて、通常用いるときには違法な改造をしている場合もあります。そのような違法な改造をした状態で公道を走ることは、危険でもありますし、環境に対しても悪影響を及ぼします。

そのため、国土交通省には、違法な改造をして公道を走行することを阻止するために、路上で検査を行う権限が与えられています。実際、2014年6月には、キャンペーンを張ってその権限を行使し、違法改造に対する取り締まりを強力に推進しました。

具体的に実施したことは、歩行者などを目視確認することが難しくなってしまう窓ガラスへの着色フィルムなどの貼り付けや、ヘッドライトやテールランプの色が規定された照度や色になっていない、不適切な灯火器を使用している場合、それにタイヤホイールなどがボディの外側まではみ出した状態で公道を走行している場合、異常に大きな騒音を出すマフラーの使用や、マフラーそのものを切断して排気音を増大させているような改造、そして不正に合成された経由燃料を使用している場合に対して、取り締まりを行いました。



取り締まりを受けると、整備命令という命令が出されます。国の行政機関による命令ですから、従わないと当然のことながら罰則があります。この場合の罰則は、違反した車は使用停止の処分を受けてしまいます。

なお、このような取り締まりは、国土交通省の権限で行われますが、取り締まりを行う実行機関を有していません。そのため、警察庁などの関係省庁と連携を取って取り締まりを行うようになっています。また、このような取り締まりは、何もキャンペーン期間中だけに限ったことではなく、いつでも国土交通省には取り締まりを行う権限があるのです。キャンペーンは、特にその取締りを強化する期間を設けただけにすぎません。

更に、この取締りは、車を改造しているオーナーだけに向けられたものではなく、そのような改造を請け負う業者や、違法なパーツを製造する企業などにも適用される、広範囲なものです。この点が、公道上で実際に違反をしている個人のみを取り締まる警察との大きな違いになっています。

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