車検のコラム

車検や車両整備に関わる勘定科目について

事業用の自動車(商用車・社用車など)にかかった費用は、すべて経費として計上できます。
車両の購入費・保険料・自動車税・ガソリン代といった項目だけでなく、車検やメンテナンスにかかったお金も「必要経費」としてあつかうことが可能です。

確定申告に向けて、決算報告書や青色申告決算書の作成で困らないよう、車検や車両整備に関する勘定項目をおさらいしておきましょう。

車検や車両整備に関わる勘定科目を知れば確定申告に強くなれる

自動車を事業用に使っている場合、かかった費用を確定申告の際に「必要経費」として計上できます。車検・点検費用は、車両費(修繕費)や支払手数料など車検センターに支払うお金と、租税公課や自賠責保険料など国や地方自治体に支払う法定費用の2種類があります。

年間の売り上げが1,000万円を超える法人は、損益計算書に税抜金額を記載する必要があるため、注意が必要です。車検の勘定科目について詳しくなれば、毎年の確定申告に強くなれます。

車検や点検・車両整備に関する勘定科目の一覧

事業用自動車を所有している法人は、かかったお金を「必要経費」として計上できます。
個人事業主の場合は家庭の車を仕事にも使うケースがありますが、こちらも家事按分を行い、生活費と事業費の割合を明らかにすることで、事業用の部分について経費計上できます。
車検や車両整備に関わる勘定科目について知っておけば、決算報告書や青色申告決算書を作成する時に困りません。

「車検」に関する5つの勘定項目

車検にかかった費用は確定申告の際に経費として計上できます。修理や部品交換を行った場合は、少なくない出費になることもあります。車検にかかったお金を次の5つの勘定項目に分類し、確定申告に備えて帳票に記載しましょう。

勘定項目 説明 税区分
車両費(修繕費) 車両費(修繕費) 車検の際に点検・修理・部品交換などを行った場合は、「車両費(修繕費)」として帳票に記載します。
車両費の内訳としては、基本点検技術料、整備技術料、部品・油脂代、エンジン下廻り洗浄料などがあります。
支払手数料をのぞいて、「車検基本料」として車検センターから請求される費用の一部です。
課税取引
租税公課 租税公課とは、車検の際にかかったお金のうち、国や地方自治体に支払う税金(租税)のことです。車検の時に合わせて支払う「自動車重量税」のほか、車検の検査手数料を納めるための「自動車検査票」の収入印紙代(印紙税)があります。
自動車検査証に貼付する印紙は2種類あり、国へ納付する「自動車検査登録印紙」と、自動車検査独立行政法人へ納付する「自動車検査証紙」があります。車検センターに支払う費用ではなく、法で定められている費用であるため、「法定費用」とも呼ばれます。
非課税取引
損害保険料 損害保険料とは、車検の際に支払う自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)の保険料のことです。自賠責保険料も租税公課と同様、法によって定められた法定費用です。
自賠責保険だけでなく、任意保険も車検センターで同時加入していた場合は、このタイミングで支払いを行います。
非課税取引(自賠責保険)
支払手数料 支払手数料とは、車検センターに支払う車検代行料(検査手数料)や事務手数料のことです。 課税取引
雑費 雑費として、車庫証明の取得にかかった手数料を勘定する場合もあります。車検の際、原則として車庫証明は必要ありませんが、車検前に引っ越しをして、車検の際に住所変更登録を行う場合は取得が必要です。 非課税取引(車庫証明)

たとえば、車検の際に車検基本料(15,000円)のほか、自動車重量税(50,400円)、印紙代(1,100円)、自賠責保険料(24ヶ月分・25,830円)、合計92,330円を現金で支払ったとします。自賠責保険料は当期の分だけでなく、年分を一度に支払っているため、来期の分は「前払費用」として勘定します。

損益計算書の例

借方 金額 貸方 金額 摘要
租税公課 50,400円 現金 92,330円 重量税
租税公課 1,100円 印紙代
損害保険料 12,915円 自賠責保険
前払費用 12,915円 自賠責保険
修繕費 15,000円 車検手数料

車検費用の支払いは一括ですが、損益計算書を作成する際は、勘定項目ごとに仕分けを行うと便利です。車検の際にもらった明細書やレシートを参考にしましょう。また、家庭用の車を事業用としても使っている場合は、100%を経費として計上するのではなく、事業用割合に応じた「家事按分」が必要です。

「点検・車両整備」に関する2つの勘定項目

車検の前に車両を整備してもらった場合や、定期点検を受けた場合も、かかった費用を経費計上できます。点検・車両整備に関する勘定項目は2点です。

勘定項目 説明 税区分
車両費(修繕費) 車検の場合と同様、点検・整備に直接かかった費用のことです。修理費・部品代・点検整備代・オイル交換費などがあります。 課税取引
消耗品費 ワイパーやタイヤ、オイルなど、消耗品の交換を行った場合、業者のサービスにふくめ、「修繕費」として計上することもできますが、「消耗品費」として仕分けしてもかまいません。また、取得価額が10万円未満であるか、使用可能期間が1年未満の物品は、「雑費」ではなく消耗費にあたります。ガソリン代も消耗費の1つです。 課税取引

たとえば、定期点検の際に点検整備代として15,000円、オイル交換に5,000円、タイヤ交換に8,000円、合計28,000円を現金で支払ったとします。今回はオイル・タイヤの費用を「修繕費」としてまとめて計上することにします。

損益計算書の例

借方 金額 貸方 金額 摘要
修繕費 28,000円 現金 28,000円 点検整備費

ユーザー車検であれディーラー車検であれ、安全運転のために定期点検は欠かせません。車検前に点検や整備を受けたら、忘れずに経費計上しましょう。

車検費用・点検費用の会計処理をする際の2つの注意点

確定申告が近づくと、帳票をまとめ会計処理を行う必要があります。車検費用や点検費用を経費計上する際は、次の3つのポイントに気をつけましょう。

ポイント1. 消費税がかかる項目とかからない項目を分ける

経費として計上する勘定項目の中には、消費税がかかる「課税取引」にあたるものと、そうでない「非課税取引」にあたるものがあります。

課税取引にあたる勘定項目の場合、あらかじめ消費税分を差し引き、損益計算書に税抜の金額を記載しなければなりません。

非課税取引にあたるのは、租税公課や自賠責保険料などの法定費用です。

それ以外の車検センターに支払った車両費や支払手数料などは課税取引にあたるため、会計処理の際に注意が必要です。なお、その事業年度の取引金額が1,000万円以下の個人事業主の場合、消費税の支払い義務がないため、消費税込みの勘定科目をそのまま記載してかまいません。

ポイント2. 青色申告の損益決算書には「車両費」「支払手数料」の項目がない

青色申告用の損益計算書には「車両費」「支払手数料」の経費科目が存在しません。はじめて確定申告を行う際は戸惑うかもしれませんが、経費科目にない勘定項目は、他の支払いと合算して損益計算書の空白部分に記載しましょう。
車両費の場合、損益計算書の「貸倒金」の空白に記載するのが一般的です。