
中古車を購入した時の車検と注意事項について
車検は新車であっても中古車であっても、定期的に行わなければなりません。車検が切れてしまうと車を動かせなくなるため、有効期限が切れる前に車検を受けましょう。
本記事では中古車を購入したときの車検と注意事項を紹介します。
車検は、車にとっての健康診断のようなものですが、前の持ち主がある程度乗られていて新車から年数も経ち走行距離も走っている中古車の場合は、快適な走行のためにより重要となります。
安全な車であるという証明でもあるため、必ず決められた有効期限までに、定期的に受けましょう。
本記事では、中古車を購入したときの車検と注意事項、車検にかかる車種別の費用を紹介します。
車検の時期は新車購入時とは違うため注意

乗用車の場合、初回車検は新車登録から3年後、以降2年ごととなりますが、中古車を購入した場合は基本的に2年ごととなります。(新車登録から1年未満の中古車を購入した場合を除く)
車検を受ける時期は、車検証に記載がある「有効期間の満了する日」までとなります。有効期間の満了日の2ヵ月前から車検は受けられますが、それより早く受けた場合は次の車検有効期限が前倒しとなるので注意が必要です。
車検の残期間の確認方法
中古車に限らず、車検証を見なくても車検の残期間はフロントガラスに貼られているステッカーでも確認できます。
以前はフロントガラス上部の中央にガラスの内側から貼り付けられていましたが、2023年7月3日以降からフロントガラスの運転者席側の上部に貼られるようになりました。このステッカーは次回車検時期を示しており、これを検査標章といいます。
ステッカーには大小2つの数字が記載されており、車検満了日の年月を表しています。数字は大きい数字が月で小さな数字が年です。
たとえば、令和8年4月30日が車検満了日だった場合、大きな数字が4で小さな数字が8と記されているはずです。
販売されている中古車の大体の車検の残期間が知りたいときはフロントガラスのステッカーを参考にしてください。
車検が切れた際に注意したい4つのこと
車検が切れた際(車検証の有効期間満了日を過ぎた場合)は、以下4つのことに注意しましょう。
1. 公道の走行はできない
車検が切れた車は無車検車と呼ばれ、公道を走らせることができません。
もしも、無車検車で公道を走らせてしまうと、道路運送車両法と道路交通法という法律に違反することになってしまいます。
道路運送車両法違反では、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金、道路交通法では、違反点数6点、30日間免許停止処分の行政処分が科せられます。
ただし、これは前歴がない場合の罰則です。
前歴がある場合、免許取り消しになる場合もあるため、注意しましょう。
2. 自賠責保険の期限切れにも注意
車検とともに、自賠責保険の期限が切れているパターンも多いです。
自賠責保険の期限が切れている車は無保険車と呼ばれており、実はかなり重大な違反です。
先ほどの無車検車同様に違反点数6点・1年以下の懲役または50万円以下の罰金、さらに30日間免許停止処分の罰則が科せられます。
ただし自賠責保険は、多くの車が車検の有効期限プラス1ヵ月を有効期限としている場合が多いため、車検切れにすぐ気付いて車検を受けるように手配をすれば、無保険車運行を問われる心配はありません。
3. 車検切れの車を車検に通す際は準備が必要
車検切れになってしまった車を車検に通したい場合は、準備が必要です。
まずは車検場やお店まで、どのように運ぶかを考えます。
公道を走らせることができないため、仮ナンバーを取得します。
仮ナンバーとは、車検場やお店までといった限定した経路に限って走行を許可するという臨時のナンバープレートで、各市区町村役場で申請できます。
仮ナンバーの取得ではなく、レッカー車や積載車を手配して運んでもらう方法もありますが、仮ナンバーの取得をして自分で運転した方が費用を抑えることが可能です。
4. 車の状態に合わせた車検を受ける
車検切れになった車をもう一度車検に通す際、車の状態で車検方法が変わります。
車検が切れている状態でも、廃車手続き(ナンバープレート返納)を行っていない場合に受ける車検は継続検査と呼ばれ一般的な車検と同じです。
車検が切れている状態で廃車手続きを行っていた場合は、通常の車検=継続検査ではなく、新規検査を行う必要があります。
新規検査は新たにナンバープレートを取得するために行う手続きで、運輸支局などに車を持ち込む必要もあり、継続検査と比べ手続きも煩雑となりますが、車検切れでかつ廃車手続きをしていた車にもう一度乗りたい場合は新規検査を受けざるを得ません。
中古車の車検にかかる費用
中古車の車検にかかる費用の内訳は以下の3つです。
法定費用
車検を通す際、必ず必要な費用のことを法定費用と呼びます。
法定費用は、自動車重量税・自賠責保険料・検査手数料の3つです。
この3つはどこで車検を受けても、金額は同じです。
・自動車重量税
車両の重量を基準にして課税額が決定します。
軽自動車であれば6,600円ですが、重くなればなるほど高くなっていき、30,000円を超える車両もあります。
・自賠責保険料
自賠責保険料は小型・普通車と軽自動車で異なり、軽自動車なら17,540円、小型・普通車なら17,650円です。
・検査手数料
検査手数料は印紙代として表記している業者も多く、申請手数料と技術情報管理手数料の合計で1,700円前後です。
車種別の法定費用
車種別の継続検査時の法定費用は以下のとおりです。[注1][注2][注3][注4]
車種 |
費用 |
【軽自動車】 |
・自賠責(24ヵ月):17,540円 |
【小型乗用車】 |
・自賠責(24ヵ月): 17,650円 |
【小型・普通乗用車】 |
・自賠責(24ヵ月): 17,650円 |
【普通乗用車】 |
・自賠責(24ヵ月): 17,650円 |
【普通乗用車】 |
・自賠責(24ヵ月): 17,650円 |
車検基本費用
車検基本費用には、法定点検費用以外に車検代行手数料などが含まれている場合が多くあります。
車種によって決まっている法定費用と異なり、車検基本費用はどこで車検を通すかで金額が変わります。
例えば、新車ディーラーや一般の整備工場に車検を依頼した場合、法定点検費用は20,000〜30,000円ほどですが、代行手数料や検査機器使用料なども必要となり、費用は10,000円前後かかります。
一方、カー用品店やガソリンスタンドなどで車検を依頼すると、車検基本費用トータルでみても25,000円前後で収まる場合もあります。
このように、車検基本費用はどのような業者で車検をするかで大きく違ってくることも踏まえて依頼する業者を選んでください。
整備費用
整備費用は、点検後に部品の摩耗や劣化が見つかり、そのままでは車検を通せないと判断した場合などにかかる修理費用・部品の交換費用です。
整備費用はどれぐらいの部品を交換する必要があるのか、車の年式・走行距離などによって変わってきますが、どこに車検を依頼するかによっても変わってきます。
例えば、ディーラーではメーカー純正の新品部品を使用する傾向があるため、部品代が割高になりがちです。
一方、整備工場などであれば中古部品やリビルト品と呼ばれる部品を使うこともでき、部品代を抑えられる場合もあります。
中古車の購入時は車検についてチェックしておこう
車に乗り続けるためには、車検はどうしても必要です。
車検は車にとっての健康診断のようなものですが、法律で定期的な実施が定められており、車検が切れてしまうと車に乗れなくなってしまいます。
車検費用にも内訳があり、どこで依頼しても変わらない費用もあれば、依頼するお店によって金額が変わるものもあるため、車検にかけられる費用やこだわりを踏まえて依頼するお店を選びましょう。
新車ではなく中古車を購入する場合は、車検の期限がいつまでなのかを確認しておくと、車検時に慌てずに済みます。
購入した中古車を安全快適に、かつコストを抑えて乗っていくために、注意事項を踏まえて、中古車の車検について考えてみてください。